心筋梗塞後に長期的な健康アウトカム不良のリスク

心筋梗塞後に長期的な健康アウトカム不良のリスク

心筋梗塞を経験した患者では、その後、心不全や脳血管障害などの心脳血管疾患による入院リスクが高まるが、それに加えて、末梢動脈疾患、糖尿病、うつ病といった他の疾患による入院リスクも高まることが分かった。英リーズ大学のMarlous Hall氏らによる研究結果で、詳細は「PLOS Medicine」に2月15日掲載された。

 この研究では、心筋梗塞を経験した患者において、11の非致死的健康アウトカム(心筋梗塞による再入院、および心不全・心房細動・脳血管障害・末梢動脈疾患・重度の出血・腎不全・糖尿病・認知症・うつ病・がんによる初回入院)および全死因死亡のリスクを評価した。

 解析対象は、2008年1月~2017年1月の英国民保健サービス(NHS)のデータに含まれた、成人患者3400万人以上(平均41.7歳、男性44.2%)による1億4,600万件近くの入院であった。対象者のうち43万3,361人(平均67.4歳、男性65.5%)は、11の健康アウトカムの既往がなく、MIによる初回入院を経験した患者であった(MI群)。MI群とリスクセットをマッチさせた入院患者200万人超(平均66.8歳、男性65.7%)が、1対5の割合で特定された(対照群)。

 MI後の各アウトカムの超過リスクは、年齢や性別、暦年、剥奪スコアを調整した柔軟なパラメトリック生存モデルにより、調整ハザード比(aHR)と95%信頼区間(CI)を算出して評価した。さらに各アウトカムの絶対リスクは、同じモデルを用いて、死亡を競合リスクとして時間依存の効果も含めた上で、追跡期間9年間のコホートでの標準化累積発生関数により、調整累積発生率を算出して評価した。

 その結果、MI群における絶対リスクは、全死因死亡が最も高かった(9年間の調整累積発生率37.8%)。次いで、非致死的健康アウトカムである心不全(同29.6%)、腎不全(同27.2%)、心房細動(同22. 3%)、重度の出血(同19.0%)、糖尿病(同17.0%)、がん(同13.5%)、脳血管障害(同12.5%)、うつ病(同8.9%)、認知症(同7.8%)、再度の心筋梗塞(同7.1%)、末梢動脈疾患(同6.5%)と続いた。

 MI群では、マッチさせた対照群と比較して、ほぼ全ての健康アウトカムで初回入院の超過リスクが認められた。MI群における超過リスクは、心不全(aHR 4.93、95%CI 4.89~7.97)で最も高く、心房細動(同1.98、1.97~2.00)、脳血管障害(同1.25、1.23~1.26)、末梢動脈疾患(同1.86、1.83~1.89)、重度の出血(同1.22、1.20~1.23)、腎不全(同1.77、1.75~1.78)、糖尿病(同1.62、1.61~1.64)、血管性認知症(同1.13、1.10~1.16)、うつ病(同1.06、1.04~1.07)がそれに続いた。一方で例外として、認知症全般のリスク(同1.01、0.99~1.02)には差が見られず、がんのリスク(同0.56、0.56~0.57)は低かった。

 Hall氏は声明において「本研究から、MIを経験したことによるケア需要の増大を考慮して、各個人のケア計画を修正すべきであることが明らかになった」と述べている。

 なお、複数の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2024年3月4日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/heart-attack-survivorship-tied-to-long-term-health-consequences

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