入院した成人患者では不適切な肺炎の診断が多い

入院した成人患者では不適切な肺炎の診断が多い
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入院した成人患者では市中肺炎(CAP)の不適切な診断が多く、特に高齢者や認知症患者ではそれが顕著であるという研究結果が、「JAMA Internal Medicine」に3月25日掲載された。

 米VAアナーバーヘルスケアシステムのAshwin B. Gupta氏らは、米ミシガン州の病院48施設における入院患者を対象として、CAPの不適切な診断の特徴を明らかにする前向きコホート研究を行った。2017年7月1日から2020年3月31日の間にCAPの治療を受けた入院患者を後ろ向きに評価した。

 その結果、CAPの治療を受けた入院患者1万7,290人のうち12.0%が不適切な診断の基準を満たし、このうち87.6%が抗菌薬のフルコースを投与されていた。不適切な診断を受けた患者は、CAP患者よりも高齢であり(調整オッズ比は10歳ごとに1.08)、認知症または来院時の精神状態の変化が見られる可能性が高かった(調整オッズ比はそれぞれ1.79、1.75)。こうした不適切な診断を受けた患者では、抗菌薬治療がフルコース(3日超)だった場合と短期コース(3日未満)だった場合との間で、30日複合アウトカムに差は見られなかった(25.8%対25.6%)。しかし、フルコースは短期コースと比較して、抗菌薬関連の有害事象と関連していた(2.1%対0.4%)。

 著者らは「不適切な診断のリスクは集団によって一様ではない。既に極めて脆弱な集団は、不適切な診断のリスクが最も高い。そしてこうした脆弱な集団は、抗菌薬に関連した有害事象やその結果生じる疾病の影響を最も受けやすい集団でもある。したがって、CAPの過小診断と過剰診断の害のバランスをとることは依然として重要である」と述べている。(HealthDay News 2024年3月27日)

 https://www.healthday.com/healthpro-news/pulmonology/inappropriate-diagnosis-of-pneumonia-common-in-hospitalized-adults

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