若年者の体脂肪量推測にはBMIよりウエスト身長比が有用

若年者の体脂肪量推測にはBMIよりウエスト身長比が有用
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若年者の体脂肪量(fat mass;FM)を推測するためには、BMIよりもウエスト身長比(waist circumference-to-height ratio;WHtR)が有用であるとする研究結果が、「Pediatric Research」に3月5日発表された。

東フィンランド大学のAndrew O. Agbaje氏は、肥満度を推測する指標であるBMIやWHtRなどの値と、体脂肪量を正確に測定できる二重エネルギーX線吸収測定(dual energy X-ray absorptiometry;DEXA)法による値とが、どの程度一致するのかを調べた。対象者は、Avon Longitudinal Study of Parents and Children(ALSPAC)に参加した9歳児7,237人(女児3,667人)で、15年間追跡され、9、11、15、17、24歳時に身長、体重、腹囲、およびDEXA法による総FM、体幹FM、除脂肪体重を測定された。級内相関係数(ICC)を算出することにより、これらの測定値の信頼性と完全一致度(absolute agreement)を評価した。また、総FMも体幹FMも、75、85、90、95パーセンタイルを「脂肪過剰状態」とみなし、9歳から24歳においてこの状態であるか否かを判別するためのWHtRのカットオフ値を、それぞれのパーセンタイル値に対して、ROC曲線下面積(AUC)を用いて設定した。

BMI、総FM、体幹FMは9歳から24歳にかけて増加していたが、WHtRは9歳から15歳の間は安定しており、24歳時にわずかに増加していた。9歳から24歳において、WHtRはBMIに比べ、総FMと体幹FMとの完全一致度が高く、男性でのWHtRのICCは0.84〔95%信頼区間(CI)0.84〜0.85〕、女性では0.81(同0.82〜0.84)であったのに対し、BMIのICCは男性で0.65(同0.64〜0.66)、女性で0.72(同0.71〜0.73)と低かった。脂肪過剰状態判別のためのカットオフ値は、総FMの75パーセンタイルに対しては男性で0.500、女性で0.516、95パーセンタイルに対しては男性で0.525、女性で0.544となり、体幹FMの75パーセンタイルに対しては男性で0.512、女性で0.500、95パーセンタイルに対しては男性で0.525、女性で0.536となった。総FMと体幹FMの、他のパーセンタイル値に対する結果もこれらとほぼ同じであった。

Agbaje氏は、「WHtRは非侵襲的かつ安価な指標であって、その年齢間・男女間での差は小さく、これがBMIと異なる点である。その平均値は、男女とも、小児期、青年期、若年成人期を通じ0.45であった。今回の結果は、小児肥満ガイドラインや施策の方針を改訂する際に役立つ新たな知見であると考えられる」と述べている。(HealthDay News 2024年4月2日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/child-health/waist-to-height-ratio-bests-bmi-for-predicting-fat-mass-in-children

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