血管内画像ガイド下PCIにより死亡や心筋梗塞のリスク減少

血管内画像ガイド下PCIにより死亡や心筋梗塞のリスク減少
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薬剤溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を、血管内画像ガイド下で施行することにより、死亡、心筋梗塞、血行再建術の再施行、ステント血栓症のリスクが低下することが、メタ解析で明らかになった。米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のGregg W. Stone氏らによる報告で、詳細は「Lancet」に2月21日掲載。

同氏らは、薬剤溶出ステントを用いた血管内画像ガイド下PCIと血管造影ガイド下PCIの成績を比較するために、システマティックレビューを実施した。レビュー対象は、薬剤溶出ステントを用いたPCIを受ける患者を、(1)血管内超音波(IVUS)と光干渉断層法(OCT)の一方または両方を用いた血管内画像ガイド下でのPCI、または(2)血管造影によるガイド下でのPCIのいずれかにランダムに割り付けた研究とした。主要評価項目は、標的病変不全(心臓死、標的血管・標的病変の心筋梗塞、標的病変の血行再建術の複合アウトカム)とした。各治療群のアウトカムは、通常のメタ解析で直接比較してランダム効果および固定効果を算出し、相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)で評価した。次に、ネットワークメタ解析により直接治療効果と間接治療効果を評価した。

レビューの結果、2010~2023年に発表された研究22件が特定された。これらの研究では計1万5,964人の患者がランダムに割り付けられ、加重平均24.7カ月間にわたって追跡されていた。

解析の結果、血管内画像ガイド下PCIでは血管造影ガイド下PCIと比較して、標的病変不全のリスクが29%低いことが明らかになった(RR 0.71、95%CI 0.63~0.80)。これは研究19件の患者1万3,030人を対象とした直接比較のメタ解析の結果であり、これらの研究の異質性は最小限だった(I²=2%)。また、血管内画像ガイド下PCIでは、標的病変不全の構成項目である心臓死(RR 0.55、95%CI 0.41~0.75)、標的血管の心筋梗塞(同0.82、0.68~0.98)、標的病変の血行再建術(同0.72、0.60~0.86)のリスクもそれぞれ低く、標的病変不全のリスク低下はそれによりもたらされていると考えられた。

さらに、血管内画像ガイド下PCIでは血管造影ガイド下PCIと比較して、副次評価項目であるステント血栓症(同0.52、0.34~0.81)、あらゆる心筋梗塞(同0.83、0.71~0.99)、全死因死亡(同0.75、0.60~0.93)のリスクも低かった。OCTガイド下PCIとIVUSガイド下PCIとの比較では、各アウトカムで同程度の治療効果が認められた。

著者らは「PCI手技のガイドとしてOCTまたはIVUSをルーチンで使用することは、生存率を高め、主要有害イベントを低減する。これは冠動脈インターベンションの長期的な安全性と有効性の両方を高めるものである」と述べている。

なお、複数人の著者が本研究に資金を提供したアボット社を含む、バイオ製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2024年2月26日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/intravascular-imaging-guidance-of-pci-reduces-death-heart-attack

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