認知的刺激の多い仕事はMCI・認知症リスクを低下させる可能性

認知的刺激の多い仕事はMCI・認知症リスクを低下させる可能性
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30~65歳の間に認知的に刺激の多い仕事をしていた人は、人生後期において軽度認知障害(MCI)や認知症を発症するリスクが低いとの研究結果が、「Neurology」5月14日号に掲載された。

オスロ大学病院(ノルウェー)のTrine H. Edwin氏らは、登録に基づいて評価した30~65歳の仕事上の認知的要求度の軌跡と、70歳以上で臨床的に診断されたMCIおよび認知症との関連を調べた。仕事上の認知的要求度はルーチン作業強度(RTI)で測定した。RTIは低値であるほど、認知的要求度の高い仕事であることを示している。MCIと認知症の相対リスク比(RRR)は、複数の交絡変数で調整後に算出した。

305個の固有の仕事が、長期のRTIスコアに基づいて4つのRTI軌跡群に分類された〔RTI低値群(20.4%)、RTI中低値群(22.5%)、RTI中高値群(37.1%)、RTI高値群(19.9%)〕。年齢・性別・教育歴を調整した解析の結果、RTI高値群ではRTI低値群と比較して、MCIや認知症のリスクが高かった〔RRR(95%信頼区間)はそれぞれ1.74(1.41~2.14)、1.37(1.01~1.86)〕。所得とベースライン時の健康関連要因を調整した感度分析でも、推定値は大きく変化しなかった〔同1.66(1.35~2.06)、1.31(0.96~1.78)〕。

著者らは「今回の結果は、教育歴と仕事上の認知的要求度のいずれもが人生後期での認知機能障害のリスクを低下させる上で重要な働きをすることを示しており、認知予備能仮説と一致するものである」と述べている。(HealthDay News 2024年4月17日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/lower-risk-for-mci-dementia-seen-with-cognitively-stimulating-occupations

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