周波数100Hzで75dBの音刺激は、メニエール病確実例の前庭誘発頸筋電位(cVEMP)振幅の改善につながることを示した研究結果が、「Acta Oto-Laryngologica」に6月24日掲載された。
名古屋大学大学院医学系研究科の曾根三千彦氏らは、メニエール病患者の前庭機能障害の治療における、100Hzの音刺激の有効性を検討した。解析対象は、難治性の前庭症状および内リンパ水腫を伴うメニエール病確実例の患者で、周波数100Hzで75dBの音刺激、または対照として周波数250Hzで75dBの音刺激のいずれかを、5分間受けた。
解析の結果、前庭内リンパ水腫を有する耳では、100Hzの音刺激後にcVEMP振幅の有意な上昇が見られた。対照群では、同様の改善は見られなかった。
著者らは、「周波数100Hzで75dBの音刺激は、メニエール病確実例の患者においてcVEMP振幅の改善をもたらす。適切な音刺激は、メニエール病に伴う前庭機能障害を治療する新たな方法となり得る」と述べている。(HealthDay News 2024年7月1日)
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