世界の若年者の5人に1人は肥満または過体重

世界の若年者の5人に1人は肥満または過体重
Published on

世界の小児または青年の5人に1人が肥満または過体重であることが、「JAMA Pediatrics」に6月10日掲載された論文で明らかにされた。

四川大学(中国)のXinyue Zhang氏らは、システマティックレビューとメタアナリシスを実施し、2000年から2023年の間における世界での肥満または過体重の小児と青年の割合(以下、有病率)を推定し、肥満の潜在的リスク因子や関連する合併症を評価した。解析には、MEDLINEやEmbaseなどのデータベースを検索して抽出した、154の国または地域を対象に実施された、18歳未満の若年者における肥満や過体重の有病率に関する2,033件の研究(対象者の総計4,589万555人)のデータを用いた。研究間の異質性はコクランのQ検定とI2統計を用いて評価し、肥満、過体重、および超過体重(肥満または過体重)の有病率はランダム効果モデルを用いて推定した。

統合有病率は肥満で8.5%(95%信頼区間〔CI〕8.2〜8.8、I2=99.9%)、過体重で14.8%(同14.5〜15.1、I2=99.8%)、超過体重で22.2%(同21.6〜22.8、I2=100.0%)であった。肥満の有病率には国や地域による差が認められ、バヌアツでの0.36%(同0.08〜0.81)からプエルトリコでの28.35%(同23.57〜33.39、I2=90.6%)までの幅があった。また、人間開発指数(Human Development Index;HDI)が0.8以上の国や地域での肥満の有病率は9.50%(同9.19〜9.82、I2=99.9%)であったのに対し、HDIが0.8未満の国や地域では7.56%(同7.28〜7.85、I2=99.8%)と低かった。さらに、肥満の有病率は、2000年から2011年の間に実施された研究では7.05%(同6.80〜7.32、I2=99.8%)であったのに対し、2012年から2023年の間に実施された研究では11.31%(同10.81〜11.81、I2=99.9%)と、約1.5倍に増加していた。

肥満の若年者における併存疾患を調べたところ、高血圧、齲歯、ビタミンD欠乏症、気管支喘息、糖尿病、扁平足、不安、抑うつの8種類が肥満と関連しており、特に高血圧と抑うつの有病率は高いことが示された(高血圧:28.02%、95%CI 20.16〜36.61、I2=99.2%、うつ病:35.24%、同0.44〜86.90、I2=99.7%)。

著者らは、「若年者の肥満や過体重は、持って生まれた要因、行動、環境、社会文化的影響の組み合わせで起こってくることを考えると、プライマリケアの担い手、臨床医、保健当局、一般の人々が、関心を持って積極的に介入すべき問題だ」と述べている。(HealthDay News 2024年6月11日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/child-health/one-in-five-children-globally-has-excess-weight

Copyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

logo
HealthDay Japan
healthdayjapan.com