食道がんの格差の経時的な傾向を調査

食道がんの格差の経時的な傾向を調査
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1999~2020年の食道がんの年齢調整死亡率は、黒人成人では低下したが白人成人では変わらず、死亡率の人種間格差が縮小したという研究結果が、「Journal of Gastroenterology and Hepatology」に7月24日掲載された。

米ジョン・H・ストローガーJr.記念クック郡病院のChun-Wei Pan氏らは、CDC-WONDERのデータを使用して、米国の黒人成人および白人成人における1999~2020年の食道がん死亡率の傾向について説明した。

解析の結果、米国における1999~2020年の食道がん死亡例30万3,267件が特定され、有意な人種間格差が認められた。年齢調整死亡率は、黒人成人では10万人当たり6.52から2.62に、白人成人では4.19から3.97に低下し、死亡率の人種間格差が縮小した。黒人女性の死亡率は10万人当たり3.31から2.29に低下した一方、白人女性では1.52から1.99に上昇した。若年男性でも同様の傾向が見られ、黒人男性の死亡率は10万人当たり12.82から6.26に低下したが、白人男性では9.90から10.57に上昇した。米国中西部と南部では、当初は黒人成人の死亡率が白人成人よりも高かったものの、この格差は経時的に縮小した。2020年までに、全ての地域で黒人男性の死亡率が低下した。

著者らは、「こうした格差に対処するために、各人種集団における主要な組織学的サブタイプに基づいて、対象者を絞ったスクリーニングプログラム、内視鏡治療へのアクセス向上、新たなスクリーニングツールに関する研究への投資、肥満などのリスク因子を対象とした公衆衛生介入を提案する」と述べている。(HealthDay News 2024年7月31日)

https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/study-examines-trends-in-esophageal-cancer-disparities-over-time

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