関節リウマチ(RA)の疲労評価において、ブリストル関節リウマチ疲労多次元質問票(BRAF-MDQ)の結果と簡易倦怠感尺度(BFI-C)の結果との一致性は高いことが、「Immunity, Inflammation and Disease」に6月14日掲載された症例対照研究から明らかになった。
RA患者によく見られる疲労は、患者の機能や予後に悪影響を与える。南京医科大学附属宿遷第一人民病院(中国)のJun Zhou氏らは、BRAF-MDQとBFI-Cの2つの尺度を用いてRA患者の疲労を評価し、結果の一致性を調べるとともに、RA患者の疲労に関連した因子を特定するため症例対照研究を実施した。
2022年12月から2023年2月の間に同病院で治療を受けたRA患者160例(平均年齢57.9歳、女性72.5%)を患者群、健康な60人(同48.5歳、63.3%)を対照群とした。疲労の評価にはBRAF-MDQとBFI-Cを用い、病勢は、腫脹関節数や臨床的疾患活動性指数(CDAI)などによって評価した。BRAF-MDQは20項目からなり、身体(最高22点)、生活(同21点)、認知(同15点)、感情(同12点)で構成され、これらの合計を総合点(同70点)とした。BFI-Cは9項目からなり、これら9項目の平均を総合点(最高10点)とした(いずれも高得点ほど疲労が強い)。
解析の結果、BRAF-MDQ総合点およびBFI-C総合点はいずれも、対照群と比べてRA患者群の方が有意に高かった(ともにP<0.001、t検定)。BRAF-MDQ総合点とBFI-C総合点の間には、RA患者群(r=0.669)および対照群(r=0.527)のいずれにおいても有意な正相関が認められた(ともにP<0.001、Pearson相関係数)。
また、Kendallのtau-b検定によりBRAF-MDQ総合点とBFI-C総合点の一致性をみたところ、RA患者群(W=0.759)においても、対照群(W=0.933)においても高い一致性が認められた。多変量線形回帰分析を行ったところ、BRAF-MDQ総合点には、教育レベルが高いこと(В=-4.547)および腫脹関節数(В=1.965)が、BFI-C総合点には教育レベルが高いこと(В=-0.613)および臨床的疾患活動性指数(В=0.053)が、それぞれ独立して関連していた。
著者らは「BRAF-MDQの結果とBFI-Cの結果はよく一致していた。さらに、RA患者の疲労には、教育レベルや疾患活動性が独立して関連することが明らかになった」と結論。「RAの初期管理における疲労の危険因子の探索は、治療に対する意義は大きいだろう」と付言している。(HealthDay News 2024年6月26日)
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