メニエール病(MD)疑いの患者を再分類する際のアプローチとして、蝸電図検査(ECochG)とMD-プロトコルによる磁気共鳴画像法(MRI)の併用が最も信頼性が高いとする研究結果が、「American Journal of Otolaryngology」11/12月号に掲載された。
ランバンヘルスケアキャンパス(イスラエル)のRoee Noy氏らは、最初にMD疑いと診断された患者の再分類における診断検査の有用性を調べるため、神経耳科クリニックにおいて後ろ向きコホート研究を実施した。対象患者は69人であり、このうち25人(36.2%)はMDと確実診断され、21人(30.4%)はMDの疑いと診断され、23人(33.4%)はMDを否定された。対象患者に一連の検査を実施し、感度、特異度、陽性・陰性予測値、陽性・陰性尤度比を算出した。
本研究の平均追跡期間は3.5年であった。その結果、感度はECochGが92%と最も高く、陰性尤度比は15%であった。また、特異度はMD-プロトコルを用いたMRIが100%と最も高く、陽性尤度比も100%であった。ビデオ眼振検査、ビデオヘッドインパルス検査、前庭誘発頸筋電位検査は、いずれも感度と特異度が低かった。MD疑い患者21人のうち再分類可能だったのは18人(86%)であり、臨床経過と一致して12人(57%)はMDの確実診断を受け、6人(29%)はMDを否定された。
著者らは「MD疑い患者の再診断には、ECochGとMDプロトコルによるMRIの併用が有用であることが分かった。今回の結果を再現し、これら2つの検査を受けたにもかかわらず正確に診断されなかった患者に対する指針を検討するため、さらなる研究を実施すべきだ」と述べている。(HealthDay News 2024年9月6日)
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