肥満かつ2型糖尿病で推算糸球体濾過量(eGFR)が20~60mL/分/1.73m2の患者において、代謝改善手術はグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)治療と比較して、腎機能障害の進行リスクが低いという研究結果が、「Annals of Surgery」9月号に掲載された。米クリーブランド・クリニックのAli Aminian氏らは、慢性腎臓病(CKD)と確定診断されている患者を対象に、代謝改善手術の腎保護効果を検討した。肥満かつ2型糖尿病でeGFRが20〜60mL/分/1.73m2の患者で、代謝改善手術を受けた患者と、非外科的治療としてGLP-1RA治療を受けた患者を比較した。解析対象は425人で、代謝改善手術群183人、GLP-1RA群242人、追跡期間の中央値は5.8年であった。解析の結果、主要評価項目であるCKDの進行について、8年後の累積発生率は手術群で21.7%、GLP-1RA群で45.1%であり、調整ハザード比は0.40であった。複合副次評価項目である腎不全の発症または全死亡について、8年後の累積発生率は手術群で24.0%、GLP-1RA群で43.8%であり、調整ハザード比は0.56であった。著者らは、「代謝改善手術は、CKDと肥満を有する患者の治療選択肢として考慮されるべきである」と述べている。なお複数人の著者が、製薬企業および医療技術企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2024年9月27日)https://www.healthday.com/healthpro-news/kidney-health/metabolic-surgery-is-renoprotective-in-patients-with-obesity-ckdCopyright © 2024 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock