米国心臓協会(AHA)が提唱するLife's Essential 8(LE8)において、心血管系の健康状態が不良と判定された中年の人では、脳の健康に関連する主要な疾患(脳卒中、認知症、老年期うつ病)の複合リスクが約2倍に増加することが明らかになった。この研究結果の詳細は、「Neurology」に10月23日掲載された。LE8は、健康増進のための8項目と呼ばれ、血圧、血糖、コレステロール、BMI、喫煙、身体活動、食事、睡眠時間から成る改善可能な心血管系のリスク因子を評価するツールである。米イェール大学医学部のSantiago Clocchiatti-Tuozzo氏らは、UKバイオバンクとAll of Us(AoU)を用いて、発見と検証の2段階の観察研究を実施し、LE8での評価に基づく心血管系の健康状態と、脳の不良な健康状態に関連する重要な臨床エンドポイント(脳卒中、認知症、老年期うつ病)の複合リスクとの関連について検討した。それぞれの研究参加者の臨床データや生体データを基にLE8の各項目を100点満点で算出し、全項目の平均スコアをLE8スコアとして、「最適(>80点)」「中程度(20〜80点)」「不良(<20点)」に分類した。主要評価項目は脳卒中、認知症、老年期うつ病の複合アウトカムの発症リスクとし、LE8スコアとこれらのリスクとの関連の検討には、多変量Cox比例ハザードモデルを用いた。発見段階の研究では、UKバイオバンク参加者31万6,127人(平均年齢56歳、女性52%)が対象とされた。LE8スコアに基づき、6万734人が「最適」、19万919人が「中程度」、6万4,474人が「不良」に分類された。平均追跡期間5(標準偏差〔SD〕4)年間において、LE8スコアが「最適」「中程度」「不良」だった人での複合アウトカムの未調整の累積発症率は、それぞれ0.7%(95%信頼区間〔CI〕0.61〜0.74)、1.2%(同1.11〜1.22)、1.8%(同1.70〜1.91)であった(全てP<0.001)。多変量Cox比例ハザードモデルによる解析でも、この関連性は依然として有意であり、LE8スコアが「最適」な人と比べて、「中程度」と「不良」の人での複合アウトカムのハザード比は、それぞれ1.37(95%CI 1.24〜1.52)、2.11(同1.88〜2.36)であった(全てP<0.001)。検証段階の研究では、AoU参加者6万8,407人(平均年齢73歳)が対象とされた。平均追跡期間2.9(SD 1.41)年間において、LE8スコアが「最適」「中程度」「不良」だった人での複合アウトカムの未調整の累積発症率は、それぞれ2.8%(95%CI 2.49〜3.05)、6.0%(同5.76〜6.22)、9.7%(同9.24〜10.24)であった(全てP<0.001)。多変量Cox比例ハザードモデルによる解析でも、この関連性は依然として有意であり、LE8スコアが「最適」な人と比べて、「中程度」と「不良」の人での複合アウトカムのハザード比は、それぞれ1.35(同1.21〜1.51)、1.94(同1.72〜2.18)であった(全てP<0.001)。著者らは、「これらの結果は、LE8によって確認された中年期の心血管系の健康は、脳の健康不良に関連する最も重要な疾患、すなわち脳卒中、認知症、および高齢期うつ病の複合アウトカムと強く関連することを明示している」と述べている。(HealthDay News 2024年10月23日)https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/poor-cardiovascular-health-linked-to-composite-of-poor-brain-healthCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock