内側側頭葉てんかん(MTLE)に対する定位レーザー扁桃海馬切除術(SLAH)は低侵襲で施行可能にもかかわらず、安全性に不安を抱く患者が多く積極的には行われていない。手術の効果を精度良く予測できれば施行のハードルが低下すると考えられるが、これまで十分な予測能を持つツールは開発されていない。これを背景に、米エモリー大学のAdam S. Dickey氏らは、複数の臨床指標を組み合わせた予後予測スコアを開発。詳細が「Annals of Clinical and Translational Neurology」9月号に掲載された。この研究ではまず、既報論文を参照し、術後の発作消失に関与する可能性がある以下の8項目の臨床指標を特定した。(1)内側側頭葉硬化(MTS)のMRI所見、(2)全般性強直間代発作の欠如、(3)熱性けいれんの既往、(4)発症年齢が16歳以下、(5)前兆(聴覚・視覚症状やめまい)の欠如、加えて、手術予定側の側頭葉における以下の所見、(6)片側性の発作間欠期てんかん性放電、(7)発作時脳波におけるてんかん性放電、(8)PETでの糖代謝低下所見。次に、これら8項目のうちMTSの所見のみを利用する「MTSモデル」、8項目全てを利用する「FULLモデル」、赤池情報量基準(AIC)に従って項目を後方選択して予測する「AICモデル」、各項目に1ポイントを付与し計8ポイントで評価する「SCOREモデル」という4種類の予測モデルを作成し、SLAHが施行されたMTLE患者101人の術後1年での発作消失の予測能を比較した。個々の臨床指標のうち、単変量解析で有意な予測因子として抽出されたのは、MTSのMRI所見(P=0.011)と、片側性の発作間欠期てんかん性放電(P=0.005)の2項目だった。複数の指標を用いた4種類のモデルのうち、SCOREモデルの発作消失予測能(ROC曲線下面積〔AUC〕)は0.70であり、他の3つのモデルよりも有意に優れていた(MTSモデルはAUC0.54〔SCOREモデルとの差がP=0.002〕、FULLモデルはAUC0.62〔同P=0.003〕、AICモデルはAUC0.53〔同P<0.001〕)。Dickey氏らは、「われわれの総合的な結論は、複数の臨床指標の該当項目をカウントしたスコアが、個々の指標よりもSLAH後の発作消失をより正確に予測し得るということである。今後この領域の研究では、発作症候学や神経心理学の関連指標に加えて、SCOREモデルを用いた検討をするようになっていくだろう」と述べている。なお、数人の著者が、SLAHに用いたレーザーアブレーションシステムのメーカーである、メドトロニック社との利益相反(COI)に関する情報を開示している。(HealthDay News 2024年11月5日)https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/ordinal-score-predicts-freedom-from-epilepsy-one-year-after-surgeryCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock