妊娠中にビタミンDを摂取した女性の児は、摂取していなかった女性の児に比べて6〜7歳時の骨密度(BMD)と除脂肪体重が高い傾向にあることが明らかになった。この研究結果は、「The American Journal of Clinical Nutrition」11月号に掲載された。英サウサンプトン大学MRC Lifecourse Epidemiology CentreのRebecca J Moon氏らは、妊娠14週未満で単胎妊娠中の英国の妊婦(体内での25-ヒドロキシビタミンD濃度が25~100nmol/L)を対象に、妊娠中のビタミンD摂取と児の骨の状態などとの関連をランダム化比較試験により検討した。対象とされた妊婦(1,134人)は、妊娠14~17週目から出産までの期間、1日1,000IUのコレカルシフェロール(ビタミンD3)を摂取する群(介入群)とプラセボを摂取する群(対照群)に1対1の割合でランダムに割り付けられた。これらの妊婦から生まれた児は、出生から2週間以内と2回の追跡調査時(4歳時、6~7歳時)にDXA法(二重エネルギーX線吸収法)により、頭部を除く全身(出生時のみ全身)、および腰椎の骨の検査を受け、骨面積、骨塩量(BMC)、BMD、骨塩見かけ密度(BMAD)、脂肪量、および除脂肪体重が評価された。6〜7歳時の追跡調査を受けた454人の児のうち、利用可能なDXAスキャンデータを取得できたのは447人だった。介入群の児201人と対照群の児183人を対象に、妊娠中のコレカルシフェロール摂取が6〜7歳時の児の骨に与える影響を、年齢、性別、身長、体重、母乳摂取期間、6~7歳時のビタミンD摂取状況を調整して線形回帰モデルで解析すると、介入群の児では対照群の児と比べて、頭部を除く全身のBMCが0.15標準偏差(SD)(95%信頼区間0.04~0.26、P=0.009)、BMDが0.18SD(同0.06~0.31、P=0.003)、BMADが0.18SD(同0.04~0.32、P=0.02)、除脂肪体重が0.09SD(同0.00~0.17、P=0.05)、有意に高かった。4歳時における結果も、これら6〜7歳時のものと同様であった。著者らは、「妊婦にビタミンDを摂取させるという早期の介入は、児の骨を強化し、将来の骨粗鬆症や骨折のリスク低下につながることから、重要な公衆衛生戦略となる」と述べている。なお、複数の著者が、サプリメントを提供したMerck社を含む製薬企業や栄養関連企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2024年11月15日)https://www.healthday.com/healthpro-news/pregnancy/prenatal-vitamin-d-supplementation-increases-bone-density-in-childrenCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock