部分歯列欠損を有する高齢者において、義歯の使用は認知機能低下を防ぐのに役立ち得るという研究結果が、「Aging Medicine」に12月23日掲載された。米ニューヨーク大学ロリーマイヤーズ看護学部のXiang Qi氏らは、歯が欠損している中国人高齢者を対象に、義歯の使用と認知機能低下の関係を調査した。分析対象者は、2008~2018年に中国の長期的健康長寿調査に参加した65歳以上の地域在住成人2万7,708人であった。解析の結果、義歯を使用している有歯顎者は使用していない対象者と比較して、ベースラインの認知機能が有意に良好であり(β=1.032)、認知機能の年当たりの低下率が有意に少なかった(同0.127)。無歯顎者では、義歯の使用はベースラインの認知機能の高さと有意に関連していたが(同3.063)、認知機能の低下率とは関連していなかった(同0.011)。有歯顎者において、欠損の程度によって分けられたサブグループ間でも、結果は同様であった。著者らは、「本研究は、認知機能の維持における歯科補綴学的リハビリテーションの潜在的な重要性を示すものである。義歯の使用と認知機能の因果関係を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」と述べている。なお1人の著者が、「Aging Medicine」の編集委員であることを明らかにしている。(HealthDay News 2025年1月6日)https://www.healthday.com/healthpro-news/senior-health/denture-use-tied-to-better-cognitive-health-in-older-adults-with-partial-tooth-lossCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
部分歯列欠損を有する高齢者において、義歯の使用は認知機能低下を防ぐのに役立ち得るという研究結果が、「Aging Medicine」に12月23日掲載された。米ニューヨーク大学ロリーマイヤーズ看護学部のXiang Qi氏らは、歯が欠損している中国人高齢者を対象に、義歯の使用と認知機能低下の関係を調査した。分析対象者は、2008~2018年に中国の長期的健康長寿調査に参加した65歳以上の地域在住成人2万7,708人であった。解析の結果、義歯を使用している有歯顎者は使用していない対象者と比較して、ベースラインの認知機能が有意に良好であり(β=1.032)、認知機能の年当たりの低下率が有意に少なかった(同0.127)。無歯顎者では、義歯の使用はベースラインの認知機能の高さと有意に関連していたが(同3.063)、認知機能の低下率とは関連していなかった(同0.011)。有歯顎者において、欠損の程度によって分けられたサブグループ間でも、結果は同様であった。著者らは、「本研究は、認知機能の維持における歯科補綴学的リハビリテーションの潜在的な重要性を示すものである。義歯の使用と認知機能の因果関係を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」と述べている。なお1人の著者が、「Aging Medicine」の編集委員であることを明らかにしている。(HealthDay News 2025年1月6日)https://www.healthday.com/healthpro-news/senior-health/denture-use-tied-to-better-cognitive-health-in-older-adults-with-partial-tooth-lossCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock