胃がんは世界的な健康課題であり、特に男性と東アジアにおいて大きな懸念であるという研究結果が、「Cancer Biology & Medicine」に8月7日掲載された。中国医学科学院および北京協和医学院のNuopei Tan氏らは、GLOBOCAN 2022データベースから185の国と地域における胃がんの最新の発症率と死亡率の推定値を抽出した。5年間隔の年齢調整罹患率(ASIR)が、がん登録データから算出された。相関分析を用いて、ASIRまたは年齢調整死亡率(ASMR)と人間開発指数(HDI)の関係が評価された。解析の結果、2022年には、世界全体で胃がんの新規発症が96万8,000人、死亡が66万人と推定され、いずれも男性の方が圧倒的に多かった。人口10万人当たりのASIRおよびASMRはそれぞれ9.2および6.1であった。最も負荷が大きい地域は東アジアで、この地域における患者数および死亡者数は、全地域の中でそれぞれ53.8%および48.2%を占めた。ASIRとHDIの間には、有意な相関関係が認められた。2003~2017年にかけて、ほとんどの国で胃がんの発症率は減少したが、ニュージーランド、トルコ、南アフリカでは2008~2012年にピークが見られた。一方で、発症率の低い地域である欧州、オセアニアの一部の国々とアメリカにおいては、若年層、特に女性の間で発症率の上昇という懸念すべき傾向が見られた。責任著者で同じく中国医学科学院および北京協和医学院のWanqing Chen氏は、「早期発症胃がんの増加は、医学的な問題にとどまらず、世界的な健康危機でもある。この憂慮すべき傾向には、早急に着目し、対策を講じる必要がある。われわれの研究は、この拡大する健康上の脅威が個人および医療システムに与える影響を抑制するために、若年層を対象とした専門的な予防戦略の開発を求めるものだ」と述べている。(HealthDay News 2025年1月13日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/gastric-cancer-is-a-considerable-health-concern-worldwideCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
胃がんは世界的な健康課題であり、特に男性と東アジアにおいて大きな懸念であるという研究結果が、「Cancer Biology & Medicine」に8月7日掲載された。中国医学科学院および北京協和医学院のNuopei Tan氏らは、GLOBOCAN 2022データベースから185の国と地域における胃がんの最新の発症率と死亡率の推定値を抽出した。5年間隔の年齢調整罹患率(ASIR)が、がん登録データから算出された。相関分析を用いて、ASIRまたは年齢調整死亡率(ASMR)と人間開発指数(HDI)の関係が評価された。解析の結果、2022年には、世界全体で胃がんの新規発症が96万8,000人、死亡が66万人と推定され、いずれも男性の方が圧倒的に多かった。人口10万人当たりのASIRおよびASMRはそれぞれ9.2および6.1であった。最も負荷が大きい地域は東アジアで、この地域における患者数および死亡者数は、全地域の中でそれぞれ53.8%および48.2%を占めた。ASIRとHDIの間には、有意な相関関係が認められた。2003~2017年にかけて、ほとんどの国で胃がんの発症率は減少したが、ニュージーランド、トルコ、南アフリカでは2008~2012年にピークが見られた。一方で、発症率の低い地域である欧州、オセアニアの一部の国々とアメリカにおいては、若年層、特に女性の間で発症率の上昇という懸念すべき傾向が見られた。責任著者で同じく中国医学科学院および北京協和医学院のWanqing Chen氏は、「早期発症胃がんの増加は、医学的な問題にとどまらず、世界的な健康危機でもある。この憂慮すべき傾向には、早急に着目し、対策を講じる必要がある。われわれの研究は、この拡大する健康上の脅威が個人および医療システムに与える影響を抑制するために、若年層を対象とした専門的な予防戦略の開発を求めるものだ」と述べている。(HealthDay News 2025年1月13日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/gastric-cancer-is-a-considerable-health-concern-worldwideCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock