無症候性の関節リウマチ(RA)患者に対して、放射線を用いない新しいスクリーニング法によって間質性肺疾患(interstitial lung involvement:ILI)の疑い症例を検出できたとする研究結果が「BMC Pulmonary Medicine」に11月23日掲載された。アウグスチヌス病院(ドイツ)のFrank Reichenberger氏らは、心電図および心エコー検査による心肺運動負荷試験に加え、肺機能検査(PFT)と胸膜肺経胸壁超音波検査(LUS)を用いた非侵襲的かつ放射線を用いないILIのスクリーニング法を考案した。この研究では、無症状かつ心血管疾患の既往がなく、リウマトイド因子陽性かつ抗CCP抗体陽性からRAと診断された67人(平均年齢61歳、女性78%)の連続症例を対象とした。PFTで所定の異常があり、かつLUSでも間質の変化の所見があり、他の心肺異常がない者をILI疑いとした。その結果、対象患者の40%(27例)でLUS所見に著明な変化が認められ、うち24%(16例)にはILIと矛盾しないパターンが認められた。このうち16%(11例)の症例にはLUS所見の異常に加えてPFT所見でも変化が認められ、ILIが疑われた。これら以外に、閉塞性肺疾患11例、胸膜下浸潤6例(うち肺がん1例)、少量の胸水6例、虚血性心疾患2例が認められた。肺血管障害の徴候が認められた症例はなかった。著者らは「最近では、LUSによるRA患者の間質性肺疾患のスクリーニングが行われており、そのエビデンスと臨床的経験は増えつつある。今回の結果はこれを裏づけるものであり、LUSとPFTの組み合わせは、放射線を使わないスクリーニング法として推奨したい」と述べている。なお、本研究はBoehringer Ingelheim社からの資金提供を受けている。(HealthDay News 2024年12月6日)https://www.healthday.com/healthpro-news/hcp-rheumatology/radiation-free-screening-can-id-interstitial-lung-involvement-in-raCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
無症候性の関節リウマチ(RA)患者に対して、放射線を用いない新しいスクリーニング法によって間質性肺疾患(interstitial lung involvement:ILI)の疑い症例を検出できたとする研究結果が「BMC Pulmonary Medicine」に11月23日掲載された。アウグスチヌス病院(ドイツ)のFrank Reichenberger氏らは、心電図および心エコー検査による心肺運動負荷試験に加え、肺機能検査(PFT)と胸膜肺経胸壁超音波検査(LUS)を用いた非侵襲的かつ放射線を用いないILIのスクリーニング法を考案した。この研究では、無症状かつ心血管疾患の既往がなく、リウマトイド因子陽性かつ抗CCP抗体陽性からRAと診断された67人(平均年齢61歳、女性78%)の連続症例を対象とした。PFTで所定の異常があり、かつLUSでも間質の変化の所見があり、他の心肺異常がない者をILI疑いとした。その結果、対象患者の40%(27例)でLUS所見に著明な変化が認められ、うち24%(16例)にはILIと矛盾しないパターンが認められた。このうち16%(11例)の症例にはLUS所見の異常に加えてPFT所見でも変化が認められ、ILIが疑われた。これら以外に、閉塞性肺疾患11例、胸膜下浸潤6例(うち肺がん1例)、少量の胸水6例、虚血性心疾患2例が認められた。肺血管障害の徴候が認められた症例はなかった。著者らは「最近では、LUSによるRA患者の間質性肺疾患のスクリーニングが行われており、そのエビデンスと臨床的経験は増えつつある。今回の結果はこれを裏づけるものであり、LUSとPFTの組み合わせは、放射線を使わないスクリーニング法として推奨したい」と述べている。なお、本研究はBoehringer Ingelheim社からの資金提供を受けている。(HealthDay News 2024年12月6日)https://www.healthday.com/healthpro-news/hcp-rheumatology/radiation-free-screening-can-id-interstitial-lung-involvement-in-raCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock