米国における甲状腺がんの過剰診断は依然として問題であるとする研究結果が、「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に2月5日掲載された。米スタンフォード大学のMichelle M. Chen氏らは、米国の甲状腺がんの発症率は本当に減少しているのか、それとも単に横ばいになっているだけなのか、また、これらの傾向を引き起こしている根本的な要因は何であるのかを調査した。解析には、米国国立がん研究所のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベースおよび米国国立衛生統計センターのデータベースから、1975~2019年までに特定された甲状腺がん患者9万1,968人のデータが含まれた。解析の結果、甲状腺がんの発症率上昇とその後の横ばい状態は、主に時期効果によるものであり、おそらくは診断圧力のパターンの変化によるものであることが分かった。年齢別の甲状腺がん発症率は研究期間中に増加したが、その主な要因は過剰診断であった。甲状腺がんの発症率は横ばい状態になったものの依然としてピーク時の水準にあり、過剰診断がいまだ解決されていない公衆衛生上の重要な問題であることを示唆している。著者らは、「過剰診断の要因を抑制し、医師、患者、政策立案者を対象とした新たな解決策を実行するためには、さらなる研究が必要である」と述べている。なお複数の著者が、関連組織との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年2月12日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/overdiagnosis-of-thyroid-cancer-persistsCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
米国における甲状腺がんの過剰診断は依然として問題であるとする研究結果が、「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に2月5日掲載された。米スタンフォード大学のMichelle M. Chen氏らは、米国の甲状腺がんの発症率は本当に減少しているのか、それとも単に横ばいになっているだけなのか、また、これらの傾向を引き起こしている根本的な要因は何であるのかを調査した。解析には、米国国立がん研究所のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベースおよび米国国立衛生統計センターのデータベースから、1975~2019年までに特定された甲状腺がん患者9万1,968人のデータが含まれた。解析の結果、甲状腺がんの発症率上昇とその後の横ばい状態は、主に時期効果によるものであり、おそらくは診断圧力のパターンの変化によるものであることが分かった。年齢別の甲状腺がん発症率は研究期間中に増加したが、その主な要因は過剰診断であった。甲状腺がんの発症率は横ばい状態になったものの依然としてピーク時の水準にあり、過剰診断がいまだ解決されていない公衆衛生上の重要な問題であることを示唆している。著者らは、「過剰診断の要因を抑制し、医師、患者、政策立案者を対象とした新たな解決策を実行するためには、さらなる研究が必要である」と述べている。なお複数の著者が、関連組織との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年2月12日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/overdiagnosis-of-thyroid-cancer-persistsCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock