関節リウマチ(RA)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の間には双方向の関連があるという研究結果が「Frontiers in Immunology」に12月2日掲載された。RAとCOPDは、喫煙や肺の炎症など共通したリスク因子を有しているが、両疾患の間に双方向な関連があるかどうかは、これまで明確な結論が得られていなかった。浙江中医薬大学(中国)のMeijiao Wang氏らは、両疾患の双方向性について検討するため、19本の論文(計154万9,181人を対象)についてシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。検定にはカイ二乗検定を用いた。解析対象とした研究のバイアスリスクは低いものから中程度のものまで多様だったが、エビデンスレベルは低い、あるいは極めて低いと評価された。まず、RA患者がCOPDを発症するリスクについて10本の論文をプール解析したところ、有意に高い関連が認められた(オッズ比1.41、95%信頼区間1.13~1.76、P=0.003)。サブグループ解析でも、COPD発症リスクは、性別、RA血清反応(陽性か陰性か)にかかわらず、またコホート研究、症例対照研究にかかわらず有意に高かった。次に、COPD患者がRAを発症するリスクについて7本の論文をプール解析したところ、有意に高い関連が認められた(同1.36、1.05~1.76、P=0.022)。サブグループ解析では、RA発症リスクは、女性でのみ、血清反応は陽性でも陰性でも、またコホート研究でのみ有意に高かった。著者らは「今回のメタ解析は、RAとCOPDの間には有意な双方向の関連があり、相互にリスクを高め合っていることを強調するものだ。いずれの疾患も、効果的な治療によって長期的な転帰を改善するためには早期発見が不可欠だ」と述べている。(HealthDay News 2024年12月27日)https://www.healthday.com/healthpro-news/hcp-rheumatology/bidirectional-association-found-between-rheumatoid-arthritis-copdCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
関節リウマチ(RA)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の間には双方向の関連があるという研究結果が「Frontiers in Immunology」に12月2日掲載された。RAとCOPDは、喫煙や肺の炎症など共通したリスク因子を有しているが、両疾患の間に双方向な関連があるかどうかは、これまで明確な結論が得られていなかった。浙江中医薬大学(中国)のMeijiao Wang氏らは、両疾患の双方向性について検討するため、19本の論文(計154万9,181人を対象)についてシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。検定にはカイ二乗検定を用いた。解析対象とした研究のバイアスリスクは低いものから中程度のものまで多様だったが、エビデンスレベルは低い、あるいは極めて低いと評価された。まず、RA患者がCOPDを発症するリスクについて10本の論文をプール解析したところ、有意に高い関連が認められた(オッズ比1.41、95%信頼区間1.13~1.76、P=0.003)。サブグループ解析でも、COPD発症リスクは、性別、RA血清反応(陽性か陰性か)にかかわらず、またコホート研究、症例対照研究にかかわらず有意に高かった。次に、COPD患者がRAを発症するリスクについて7本の論文をプール解析したところ、有意に高い関連が認められた(同1.36、1.05~1.76、P=0.022)。サブグループ解析では、RA発症リスクは、女性でのみ、血清反応は陽性でも陰性でも、またコホート研究でのみ有意に高かった。著者らは「今回のメタ解析は、RAとCOPDの間には有意な双方向の関連があり、相互にリスクを高め合っていることを強調するものだ。いずれの疾患も、効果的な治療によって長期的な転帰を改善するためには早期発見が不可欠だ」と述べている。(HealthDay News 2024年12月27日)https://www.healthday.com/healthpro-news/hcp-rheumatology/bidirectional-association-found-between-rheumatoid-arthritis-copdCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock