生涯にわたる体重過多および成人期の体重増加は、腎細胞がん(RCC)のリスク上昇と関連しているとする研究結果が、「Cancer」4月1日号に掲載された。米スタンフォード大学医学部のZhengyi Deng氏らは、生涯のボディマス指数(BMI)パターンと腎細胞がんとの関連を検討するために、米国国立衛生研究所(NIH)とアメリカ退職者協会(AARP)による食事と健康に関する研究に参加した20万4,364人のデータを調査した。対象者のデータから、18歳、25歳、50歳、およびベースライン時(平均年齢61.6歳)のBMI、成人期におけるBMIの軌跡、体重過多への曝露(過体重/肥満の加重年数〔WYO〕)、および特定の年齢間におけるBMIの変化を評価した。その結果、全ての年齢においてBMIが高いことは、嫌色素性RCCを除いたRCC全体および全てのサブタイプのリスクが上昇することが分かった(ハザード比〔HR〕はBMI 5単位増加当たり1.10~1.40)。また、成人期においてBMIにおける普通体重が維持された群と比較し、過体重/肥満へと体重が増加した群で同様のパターンが見られた。RCC全体、進行性RCC、致死性RCCおよび淡明細胞型RCCのリスク上昇はWYOが高いことと関連した(HRはそれぞれ1標準偏差増加当たり1.17、1.21、1.16,1.20)。50歳以降にBMIが10%以上減少すると、RCCリスクは低下した(HR 0.72)。著者らは、「これらの知見は、生涯にわたって健康的な体重を維持することが、RCCのリスクを低下させるために重要であることを強調している。さらに重要なことは、人生の後半であっても、減量することでRCCの予防効果が得られる可能性が示されたことだ」と述べている。なお2人の著者が、企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年3月24日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/lifetime-excess-weight-adult-weight-gain-linked-to-increased-renal-cancer-riskCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: MandicJovan/Adobe Stock
生涯にわたる体重過多および成人期の体重増加は、腎細胞がん(RCC)のリスク上昇と関連しているとする研究結果が、「Cancer」4月1日号に掲載された。米スタンフォード大学医学部のZhengyi Deng氏らは、生涯のボディマス指数(BMI)パターンと腎細胞がんとの関連を検討するために、米国国立衛生研究所(NIH)とアメリカ退職者協会(AARP)による食事と健康に関する研究に参加した20万4,364人のデータを調査した。対象者のデータから、18歳、25歳、50歳、およびベースライン時(平均年齢61.6歳)のBMI、成人期におけるBMIの軌跡、体重過多への曝露(過体重/肥満の加重年数〔WYO〕)、および特定の年齢間におけるBMIの変化を評価した。その結果、全ての年齢においてBMIが高いことは、嫌色素性RCCを除いたRCC全体および全てのサブタイプのリスクが上昇することが分かった(ハザード比〔HR〕はBMI 5単位増加当たり1.10~1.40)。また、成人期においてBMIにおける普通体重が維持された群と比較し、過体重/肥満へと体重が増加した群で同様のパターンが見られた。RCC全体、進行性RCC、致死性RCCおよび淡明細胞型RCCのリスク上昇はWYOが高いことと関連した(HRはそれぞれ1標準偏差増加当たり1.17、1.21、1.16,1.20)。50歳以降にBMIが10%以上減少すると、RCCリスクは低下した(HR 0.72)。著者らは、「これらの知見は、生涯にわたって健康的な体重を維持することが、RCCのリスクを低下させるために重要であることを強調している。さらに重要なことは、人生の後半であっても、減量することでRCCの予防効果が得られる可能性が示されたことだ」と述べている。なお2人の著者が、企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年3月24日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/lifetime-excess-weight-adult-weight-gain-linked-to-increased-renal-cancer-riskCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: MandicJovan/Adobe Stock