FCDは薬剤抵抗性焦点性てんかんの主要な原因だが、外科治療により改善を期待できる。しかしFCDは脳MRIで検出困難なことが多く、治療の妨げとなっている。これに対して近年、AIの応用が試みられているが、従来のモデルはサンプルサイズ不足やアルゴリズムの特徴から、偽陽性が多いなどの課題があった。この現状を背景として英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)グレート・オーモンド・ストリート小児健康研究所のMathilde Ripart氏らは、てんかん病変検出のための国際共同研究である「MELD(Multicenter Epilepsy Lesion Detection)プロジェクト」のデータを用いて、脳MRIデータに基づくグラフニューラルネットワークAIモデル「MELD Graph」を開発し、そのパフォーマンスを検討。結果の詳細が「JAMA Neurology」に2月24日掲載された。2018~2022年に各国のてんかんセンター23施設から、FCDに伴うてんかん患者群703人と神経学的疾患のない対照群482人のMRIデータを収集。そのうち20施設のデータの半数をMELD Graph構築のためのトレーニングコホート、残り半数を検証コホートとして利用し、さらに3施設のデータは独立検証コホートとして用いた。なお、MELD Graphの構築にあたって、大脳半球あたり約16万箇所における34種類の脳表MRI特徴量、および手動で病変をアノテーションした画像を教師データとして用いた。検証コホートにおいてMELD Graphは、手術後1年にわたり発作がない患者における、組織病理学的に診断されたFCDを感度81.6%で検出し、MRI検査で陰性と判定されていた患者においても感度63.7%で検出した。また、検証コホートの患者260人(平均年齢18.0歳、女性48%)に対するMELD Graphの陽性的中率(PPV)は67%(感度70%、特異度60%)であり、既存のAIモデルの39%(感度67%、特異度54%)より高かった。独立検証コホートの患者116人(22.5歳、女性53%)に対するPPVも、MELD Graphは76%(感度72%、特異度56%)であり、やはり既存モデルの46%(感度77%、特異度47%)より高かった。さらに、病変の位置やサイズ、顕著な所見、および、検出結果をAI自身が評価した信頼性スコアを解釈可能なPDFレポートとして出力でき、そのレポートの情報は臨床応用可能なレベルと考えられた。この結果を基にRipart氏らは、「既存のAIモデルよりもパフォーマンスが高く、個々の患者のレポートも示されるMELD Graphは、画像診断医によるFCD検出のサポートに利用可能」と述べている。なお、数人の著者が、バイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年3月19日)https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/graph-neural-network-can-detect-epileptogenic-focal-cortical-dysplasiaCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock