尿酸値は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、メニエール病(MD)、前庭神経炎(VN)などの末梢性めまい疾患とは関連がないとする研究結果が、「Clinical Otolaryngology」5月号に掲載された。重慶医科大学付属第二医院(中国)のShihan Liu氏らは、メンデルランダム化法を用いて、尿酸値と末梢性めまい疾患(BPPV、MD、VN)との潜在的な関連性を検証した。ゲノムワイド関連解析により、尿酸値(サンプルサイズ34万3,836人)とBPPV(疾患群3,834人、対照群20万9,582人)、MD(疾患群1,511人、対照群20万9,582人)、VN(疾患群1,224人、対照群20万9,582人)に関するデータセットが選択された。曝露量(尿酸値)とアウトカム(BPPV、MD、VN)の相関関係は2標本のメンデルランダム化解析により解析された。逆分散重み付け解析から得られた解析結果を主要解析アウトカムとした。解析の結果、尿酸値とBPPV(オッズ比〔OR〕1.152、P=0.103)、MD(OR 1.010、P=0.943)、VN(OR 1.005、P=0.969)との間に有意な相関関係は認められなかった。著者らは、「本研究では尿酸値が回転性めまいの独立したリスク因子であるとは特定されなかったものの、得られた知見は臨床診療に役立てることができる。臨床医は、回転性めまいの症状の原因を高尿酸血症に限定せず、他の可能性も慎重に検討すべきである。今後回転性めまいの新しい治療法を開発するためには、尿酸、炎症、内耳環境の複雑な相互作用を解明していく研究が不可欠だ」と述べている。(HealthDay News 2025年3月6日)https://www.healthday.com/japan-special/uric-acid-levels-not-linked-to-peripheral-vertigo-diseasesCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock