女性や父親にアルツハイマー病(AD)歴がある人の方が、脳全体のアミロイドβ(Aβ)とタウタンパク質の蓄積量の間に強い関連が認められるという研究結果が、「Neurology」5月13日号に掲載された。マギル大学(カナダ)のValentin Ourry氏らは、患者自身の性別やADを発症した親の性別がAβとタウタンパク質の蓄積に影響を与えるかどうかを検討するため、カナダで実施されたPresymptomatic Evaluation of Experimental or Novel Treatments for ADコホート研究から対象者243人のデータを分析した。 ベースライン時、すべての対象者の認知機能は正常であった。242人の対象者から長期的な認知機能データが得られた(追跡期間6.72±2.38年)。対象者のうち71人が軽度認知機能障害を発症した。解析の結果、女性の方がタウタンパク質の蓄積量が多く(標準化β=0.13±0.3)、脳全体のAβ蓄積量とタウタンパク質蓄積量の関連は男性より女性の方が強かった(同0.79±0.1)。脳全体のAβ蓄積量とタウタンパク質蓄積量の関連は、父親がADを発症している対象者の方が、母親がADを発症している対象者よりも強かった(同0.65±0.1)。女性において、Aβと関連のある海馬の萎縮は経時的に減少した(同0.24±0.1)。著者らは、「女性の方が、そして驚いたことに、父親がADを発症している人の方が、Aβと関連のあるタウタンパク質が側頭葉内側部の外に広がりやすいと考えられる。このように女性ではタウ病変が形成されやすいにもかかわらず、Aβと海馬の萎縮の関連が低下した。これは何らかの脳のレジリエンスが働いているか、または女性で起こる萎縮の促進要因としてAβがそれほど重要ではないことを示唆している可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2025年4月14日)https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/link-between-global-amyloid-tau-deposition-varies-by-sexCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock