Roflumilast(ロフルミラスト、国内未承認)クリーム0.05%(以下、roflumilast)を、2~5歳のアトピー性皮膚炎(AD)患者に対し1日1回塗布した結果、有効性と安全性が確かめられたとする研究結果が、「Pediatric Dermatology」に2月20日掲載された。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のLawrence F. Eichenfield氏らは、2〜5歳の軽度~中等度のAD患者652人を対象に第3相試験を実施し、roflumilastの有効性と安全性を評価した。対象者は、4週にわたり1日1回roflumilastを塗布する群(roflumilast群、437人)とプラセボを塗布する群(対照群、215人)に2対1の割合でランダムに割り付けられた。主要評価項目は、4週の時点で治療の成功を達成した者の割合とし、成功とは、vIGA-AD(validated Investigator Global Assessment for Atopic Dermatitis)で0点(病変なし)または1点(ほぼなし)に達し、かつ開始時から2段階以上改善している場合とした。評価項目はこの他にも、1週と2週の時点で成功を達成した者の割合、ベースライン時にvIGA-ADで中等度と評価された者のうち4週の時点で成功を達成した者の割合、1・2・4週の時点におけるvIGA-ADスコアが0点または1点だった者の割合、4週の時点でEASI-75(湿疹スコア75%以上の改善)を達成した者の割合、ベースラインのWI-NRS(Worst Itch-Numeric Rating Scale、痒みスコア)が4点以上の者のうち4週の時点でベースラインから4点以上改善した者の割合とした。対象者のうち、治療を完了したのは602人(92.3%)だった。両群間の比較には層別Cochran–Mantel–Haenszel(CMH)両側検定を用いた。4週の時点でvIGA-ADによる評価で成功を達成した患者の割合は、roflumilast群で25.4%、対照群で10.7%であり、有意差を認めた(P<0.0001)。このような有意な差は、すでに1週の時点で現れていた。4週の時点でvIGA-ADスコア0点または1点を達成した割合は、roflumilast群35.4%、対照群14.6%であり、またEASI-75を達成した割合はそれぞれ39.4%、20.6%で、いずれも差は有意だった(P<0.0001)。さらに、ベースライン時にvIGA-ADで中等度と評価された患者のうち、成功を達成した割合はそれぞれ27.7%、11.0%(P<0.0001)、4週の時点でWI-NRSがベースラインから4点以上改善した者の割合はそれぞれ35.3%、18.0%だった(nominal P=0.0002)。Roflumilast群では対照群に比べて、初回塗布後24時間以内という早い段階で痒みの有意な改善が認められた(nominal P≦0.0014)。両群とも治療関連有害事象の発生率は低く、98.9%が軽度または中等度だった。Roflumilast群の介護者から、明らかな不快感を伴う刺痛/灼熱感が、試験期間中、時間的に偏りなく報告されたものの、0.7%以下にとどまった。著者らは、「今回の結果は、roflumilastクリーム0.05%が、2~5歳の軽度〜中等度AD患者に対する新たな局所治療の選択肢となる可能性があることを示している」と述べている。なお、複数の著者が、roflumilastを製造し、この研究に資金を提供したArcutis Biotherapeutics社を含む製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年3月14日)https://www.healthday.com/healthpro-news/skin-health/roflumilast-cream-005-percent-safe-effective-in-young-children-with-eczemaCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock