肝移植術とスリーブ状胃切除術の同時施行(LTSG)が、術後の持続的な体重減少、糖尿病と高血圧の有病率低下、同種移植片の脂肪肝発現の減少につながるという研究結果が、「Journal of Hepatology」に3月13日掲載された。米メイヨー・クリニックWilliam Von Liebig移植センターのEllen L. Larson氏らは、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患を治療するためにLTSGを受けた患者72人と肝移植術(LT)のみを受けたBMI 30kg/m2超の患者185人を対象に、後ろ向きコホート研究を実施した。解析の結果、死亡率と移植片喪失については、LT群とLTSG群の間に有意差は認められなかった。LTSG群では、糖尿病の有病率が有意に低い状態が8年を超えて続き、高血圧については61.1%から35.8%に低下した。LTSG群のベースライン時平均BMIは45.5kg/m2であったが、ベースラインからの有意な体重減少が術後9年を超えて持続した。LT群のベースライン時平均BMIは34.0kg/m2であったが、術後のBMIおよび糖尿病有病率に有意な変化は認められなかった。同種移植片の脂肪肝発現率については、LTSG群の方がLT群よりも有意に低かった。LTSG群の術後3~10年における線維症有病率は、LT群と比較して低下していたが、統計的に有意ではなかった。著者らは、「世界中で肥満が蔓延している状況を考えると、この複合的な要素を持つ患者集団が移植をより受けやすくなり、患者の代謝関連の転帰を改善できるような解決策を見つけることが必要不可欠である」と述べている。(HealthDay News 2025年5月9日)https://www.healthday.com/healthpro-news/liver-health/simultaneous-liver-transplant-sleeve-gastrectomy-beneficialCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock