脳内アミロイドベータ(Aβ)蓄積に関する検査結果の開示が、検査を受けた個人に対し心理的悪影響を及ぼす可能性は低いとする研究結果が、「Alzheimer's & Dementia」に5月7日掲載された。シバ医療センター(イスラエル)のSapir Golan Shekhtman氏らは、認知機能が正常な成人を対象に、脳内Aβの蓄積状態の検査結果開示が受検者に与える心理的影響を検討するため、質問票を用いた調査を行った。アミロイド陽電子放出断層撮影法(PET)の検査結果の開示前と開示後6カ月時点の回答を比較し、Aβ蓄積に関連する不安や抑うつ、記憶愁訴、リスク低減行動への意欲について、それぞれの変化を評価した。解析対象は、ベースライン時に認知機能が正常であった成人199人のデータであった。アミロイドPETによりAβ蓄積が認められないという結果が開示された群では、すべての感情パラメータがベースライン時より低下した。Aβ蓄積が認められるという結果が開示された群では、抑うつおよび記憶愁訴についての変化は見られなかったが、不安やライフスタイルを変えようとする意欲はわずかに低下した。著者らは、「われわれの研究結果は、アミロイドPETによるAβ蓄積の有無を開示することは、いずれの結果であった場合にも心理的悪影響はないことを示唆しており、先行研究の知見を裏付けるものである。Aβ蓄積の有無に関わらず、結果開示後にライフスタイルを変えようとする意欲が低下したことは、このプロセスにおいて誤った安心感を与えないよう警鐘を鳴らすものである」と述べている。(HealthDay News 2025年5月9日)https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/no-negative-psychological-impact-seen-for-disclosing-a-statusCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
脳内アミロイドベータ(Aβ)蓄積に関する検査結果の開示が、検査を受けた個人に対し心理的悪影響を及ぼす可能性は低いとする研究結果が、「Alzheimer's & Dementia」に5月7日掲載された。シバ医療センター(イスラエル)のSapir Golan Shekhtman氏らは、認知機能が正常な成人を対象に、脳内Aβの蓄積状態の検査結果開示が受検者に与える心理的影響を検討するため、質問票を用いた調査を行った。アミロイド陽電子放出断層撮影法(PET)の検査結果の開示前と開示後6カ月時点の回答を比較し、Aβ蓄積に関連する不安や抑うつ、記憶愁訴、リスク低減行動への意欲について、それぞれの変化を評価した。解析対象は、ベースライン時に認知機能が正常であった成人199人のデータであった。アミロイドPETによりAβ蓄積が認められないという結果が開示された群では、すべての感情パラメータがベースライン時より低下した。Aβ蓄積が認められるという結果が開示された群では、抑うつおよび記憶愁訴についての変化は見られなかったが、不安やライフスタイルを変えようとする意欲はわずかに低下した。著者らは、「われわれの研究結果は、アミロイドPETによるAβ蓄積の有無を開示することは、いずれの結果であった場合にも心理的悪影響はないことを示唆しており、先行研究の知見を裏付けるものである。Aβ蓄積の有無に関わらず、結果開示後にライフスタイルを変えようとする意欲が低下したことは、このプロセスにおいて誤った安心感を与えないよう警鐘を鳴らすものである」と述べている。(HealthDay News 2025年5月9日)https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/no-negative-psychological-impact-seen-for-disclosing-a-statusCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock