ダウン症候群(以下、ダウン症)患者では心血管アウトカムのリスクが高いという研究結果が、「Journal of Internal Medicine」に5月7日掲載された。ヨーテボリ大学生物医学研究所(スウェーデン)のAnnie Pedersen氏らは、ナショナルレジストリを用いて、1946~2000年にスウェーデンで出生したダウン症患者5,155人を特定し、性別、出生年、出生地に基づき患者1人につき50人の対照群を設定し、心血管リスクを比較した。解析の結果、ダウン症は脳梗塞(ハザード比4.41)および出血性脳卒中(同5.14)のリスク上昇と関連していた。急性心筋梗塞のリスクは、全体的には両群間で同程度であったが、40歳未満の若年ダウン症患者ではリスク上昇が見られた。特定の動脈硬化性リスク因子および塞栓性リスク因子を有するダウン症患者では、リスク因子のない対照群と比較して脳梗塞のリスクがさらに高くなった(ハザード比はそれぞれ12.67、10.35)。著者らは、「今回の研究結果は、ダウン症患者の心血管リスク因子のスペクトルが、ダウン症でない人のものとは異なっていることを示唆しており、このことはスクリーニングの方法や一次予防、二次予防の戦略に影響を与える可能性がある。また、これらの知見は、ダウン症における心血管疾患の病態生理学的メカニズムのさらなる解明を目指した今後の研究や、ダウン症の患者集団特有のニーズに適合したガイドラインを開発する医療システムに役立つはずである」と述べている。(HealthDay News 2025年5月15日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/risk-of-poor-cardiovascular-outcomes-up-in-aging-patients-with-down-syndromeCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
ダウン症候群(以下、ダウン症)患者では心血管アウトカムのリスクが高いという研究結果が、「Journal of Internal Medicine」に5月7日掲載された。ヨーテボリ大学生物医学研究所(スウェーデン)のAnnie Pedersen氏らは、ナショナルレジストリを用いて、1946~2000年にスウェーデンで出生したダウン症患者5,155人を特定し、性別、出生年、出生地に基づき患者1人につき50人の対照群を設定し、心血管リスクを比較した。解析の結果、ダウン症は脳梗塞(ハザード比4.41)および出血性脳卒中(同5.14)のリスク上昇と関連していた。急性心筋梗塞のリスクは、全体的には両群間で同程度であったが、40歳未満の若年ダウン症患者ではリスク上昇が見られた。特定の動脈硬化性リスク因子および塞栓性リスク因子を有するダウン症患者では、リスク因子のない対照群と比較して脳梗塞のリスクがさらに高くなった(ハザード比はそれぞれ12.67、10.35)。著者らは、「今回の研究結果は、ダウン症患者の心血管リスク因子のスペクトルが、ダウン症でない人のものとは異なっていることを示唆しており、このことはスクリーニングの方法や一次予防、二次予防の戦略に影響を与える可能性がある。また、これらの知見は、ダウン症における心血管疾患の病態生理学的メカニズムのさらなる解明を目指した今後の研究や、ダウン症の患者集団特有のニーズに適合したガイドラインを開発する医療システムに役立つはずである」と述べている。(HealthDay News 2025年5月15日)https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/risk-of-poor-cardiovascular-outcomes-up-in-aging-patients-with-down-syndromeCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock