一過性脳虚血発作(TIA)の診断後、最長12カ月まで病的な疲労感が見られることは珍しくないとする研究結果が、「Neurology」6月10日号に掲載された。オールボー大学病院(デンマーク)のBirgitte Hede Ebbesen氏らは、TIA患者を対象に前向きコホート研究を実施し、TIA後の疲労感を最長12カ月後まで追跡調査した。疲労感の評価には、Multidimensional Fatigue Inventory(MFI-20)およびFatigue Severity Scaleを用い、退院の14日後(ベースライン)、および3、6、12カ月後に測定した。354人のTIA患者が研究に参加し、うち287人がベースライン時の疲労感測定に回答した。MFI-20による全般的疲労感の平均値は、ベースライン時で12.3±4.6点、退院3カ月後で11.9±4.6点、6カ月後で11.4±4.5点、12カ月後で11.1±4.5点であった。病的疲労感(MFI-20の全般的疲労感が12点以上)が見られた患者の割合は、それぞれ61.3%、53.5%、54.0%、53.8%であった。急性梗塞の有病率については、疲労感の有無による差は認められなかった。一方、疲労感を報告した群では、不安・抑うつの既往が、疲労感を報告しなかった群の2倍であった。性別、年齢、急性梗塞のみを含めたモデルと比較して、それらにベースライン時の疲労感を加えたモデルの方が報告データのばらつきをよく説明し、その差は統計学的に有意であった。著者らは、「われわれの研究結果は、退院後数週間で疲労感の程度を評価する必要があることを示唆している。これにより、疲労感が持続するリスクが高く、その管理を要する可能性のある患者を的確に特定できるようになるだろう」と述べている。(HealthDay News 2025年5月14日)https://www.healthday.com/healthpro-news/stroke/pathological-fatigue-common-up-to-12-months-after-tiaCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
一過性脳虚血発作(TIA)の診断後、最長12カ月まで病的な疲労感が見られることは珍しくないとする研究結果が、「Neurology」6月10日号に掲載された。オールボー大学病院(デンマーク)のBirgitte Hede Ebbesen氏らは、TIA患者を対象に前向きコホート研究を実施し、TIA後の疲労感を最長12カ月後まで追跡調査した。疲労感の評価には、Multidimensional Fatigue Inventory(MFI-20)およびFatigue Severity Scaleを用い、退院の14日後(ベースライン)、および3、6、12カ月後に測定した。354人のTIA患者が研究に参加し、うち287人がベースライン時の疲労感測定に回答した。MFI-20による全般的疲労感の平均値は、ベースライン時で12.3±4.6点、退院3カ月後で11.9±4.6点、6カ月後で11.4±4.5点、12カ月後で11.1±4.5点であった。病的疲労感(MFI-20の全般的疲労感が12点以上)が見られた患者の割合は、それぞれ61.3%、53.5%、54.0%、53.8%であった。急性梗塞の有病率については、疲労感の有無による差は認められなかった。一方、疲労感を報告した群では、不安・抑うつの既往が、疲労感を報告しなかった群の2倍であった。性別、年齢、急性梗塞のみを含めたモデルと比較して、それらにベースライン時の疲労感を加えたモデルの方が報告データのばらつきをよく説明し、その差は統計学的に有意であった。著者らは、「われわれの研究結果は、退院後数週間で疲労感の程度を評価する必要があることを示唆している。これにより、疲労感が持続するリスクが高く、その管理を要する可能性のある患者を的確に特定できるようになるだろう」と述べている。(HealthDay News 2025年5月14日)https://www.healthday.com/healthpro-news/stroke/pathological-fatigue-common-up-to-12-months-after-tiaCopyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock