免疫介在性炎症性疾患(IMID)患者の心血管疾患(CVD)による死亡率は1999年から2020年にかけて低下したが、死亡率の男女差が依然として認められることを示したリサーチレターが、「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」に5月5日掲載された。 米クリーブランド・クリニックのIssam Motairek氏らは、米疾病対策センター(CDC)が提供している1999~2020年の複合死因(Multiple Cause of Death)データを用い、基礎疾患としてIMIDを有する患者のCVD関連死を特定し、死亡率の男女差を検討した。IMID関連死28万1,355件から、CVD関連死12万7,149件を抽出して分析した。 解析の結果、粗死亡率は、女性では10万人当たり1999年の3.9人から2020年の2.1人に、男性では1.7人から1.2人に低下した。年齢調整死亡率は、女性では10万人当たり3.3人から1.4人に、男性では2.3人から1.1人に低下した。CVDの死亡率に見られる典型的な男女差とは対照的に、研究期間全体を通して女性における死亡率が男性よりも有意に高かった(死亡率比1.5)。1999年から2020年にかけて死亡率は男女ともに有意に低下したが、一貫して女性の方が高く、この差は縮小しつつも持続し、追跡調査の最終年でも有意であった。コホート内の主な死因は虚血性心疾患および脳血管疾患であり、いずれもIMIDを有する女性に不均衡に影響を与えていた。 米ケース・ウェスタン・リザーブ大学およびクリーブランド・クリニックLerner College of Medicineの上席著者Heba S. Wassif氏は、「われわれの研究は、免疫介在性炎症性疾患の患者では心血管疾患が深刻な負荷となっており、特に女性に対し不均衡に影響を与えていることを浮き彫りにしている。診断時に加え、それ以降も定期的に心血管リスク因子をスクリーニングし、早期に対応することが極めて重要である」と述べている。(HealthDay News 2025年5月13日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/cvd-mortality-higher-in-women-than-men-with-immune-mediated-inflammatory-diseases Abstract/Full Texthttps://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCOUTCOMES.124.011833 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stoc