性別や人種・民族にかかわらず、リポ蛋白(a)濃度上昇は動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベント再発リスクの連続的な上昇と関連するという研究結果が、「European Heart Journal」に5月7日掲載された。 米ファミリー心臓財団のDiane E. MacDougall氏らは、リポ蛋白(a)濃度の上昇が、それ以外の面においては健康な人のASCVDリスクを上昇させることに着目し、ASCVD再発リスクについても同様のことが当てはまるのか検討した。解析対象となったのは、2012〜2022年の米国における3億4000万人の医療保険請求のうち、ASCVDと診断され、リポ蛋白(a)濃度が測定されていた27万3,770人のデータであった。 解析の結果、中央値5.4年の追跡期間中に、対象者の15%がASCVDを再発した。リポ蛋白(a)濃度の上昇とASCVD再発リスクの連続的な上昇には関連が見られた。ASCVDの個々の要素、および性別、人種・民族、ベースラインのASCVDの種類、糖尿病の有無によるサブグループにおいて、結果は同様であった。リポ蛋白(a)180nmol/L以上の場合の有害な影響は、強力なLDLコレステロール低下療法によって軽減される可能性があり、この効果はPCSK9阻害薬(PCSK9i)を投与されている患者で最も顕著であった。 著者らは、「リポ蛋白(a)に関連するリスクは、ベースラインのASCVDの種類や糖尿病の有無にかかわらず同様で、強力なLDLコレステロール低下療法によって部分的に軽減される可能性がある。ASCVDを有する全ての患者においてASCVDイベントの再発リスクを評価する際に、リポ蛋白(a)濃度の測定値を考慮する必要性が浮き彫りになった」と述べている。 なお複数の著者が、バイオ製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年5月21日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/lipoproteina-levels-tied-to-increased-risk-of-recurrent-atherosclerotic-cvd-events Abstract/Full Texthttps://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehaf297/8124887 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stoc