重症の急性腎障害(AKI)を合併したアルコール性肝硬変の成人患者における院内死亡率を予測するには、最小の絶対収縮および選択演算子の回帰分析(Lasso-LR)モデルが最適であるとする研究結果が、「Frontiers in Medicine」に5月7日掲載された。 錦州医科大学附属第一医院(中国)のMeina Sun氏らは、重症AKIを合併したアルコール性肝硬変の成人患者856人を対象とした後ろ向き研究において、死亡リスクを予測する説明可能な機械学習モデルを開発し、その予測性能を検証した。2008~2016年までの患者627人を学習コホート、2017~2019年までの患者229人を外部検証コホートとした。ラッソ回帰分析に基づき、8種類の機械学習モデルが開発された。これらのうち最適なモデルを決定するために、受信者動作特性曲線下面積(AUROC)を指標として予測性能を評価した。 ラッソ回帰分析により、総ビリルビン値、急性呼吸不全、バソプレシンの投与、敗血症性ショック、乏尿、AKIのステージ、血中乳酸濃度、新鮮凍結血漿輸血、ノルエピネフリンの9つの主要な特徴が特定された。8種類の機械学習モデルのうち、Lasso-LRモデルは最高のAUROC値(0.809)を達成し、重症AKIの予後予測に最適なモデルであることが示された。視覚化のために、静的ノモグラムとウェブベースの動的ノモグラムが開発された。ノモグラムモデルでは、学習コホートと経時的な外部検証コホートで、AUROCはそれぞれ0.836と0.809だった。決定曲線分析により、このモデルの臨床応用における確かな価値が示された。 著者らは、「Lasso-LRモデルは、AKIを合併したアルコール性肝硬変患者の院内死亡率に対し高い予測性能を示した。このモデルは医療従事者に、患者の予後に関する洞察と、個々の患者に合わせた治療方針を決定するための貴重な情報を提供するだろう」と述べている。(HealthDay News 2025年5月27日) https://www.healthday.com/healthpro-news/kidney-health/lasso-lr-model-best-for-predicting-aki-mortality-in-alcoholic-cirrhosis Abstract/Full Texthttps://www.frontiersin.org/journals/medicine/articles/10.3389/fmed.2025.1570928/full Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stoc