体格指数(BMI)と体表面積(BSA)の両方に基づいて定義される肥満は、腎移植後の有害転帰のリスク上昇と関連するという研究結果が、「Transplantation Direct」に5月21日掲載された。 ダウハルジー大学(カナダ)のRoxaneh Zaminpeyma氏らは、BMIとBSAを組み合わせた指標で定義される肥満と腎移植後の有害転帰との関連を調べるために、米国全土で腎移植を受けた腎不全患者を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。 最終解析には、合計24万2,432人の患者が含まれた。そのうち、BMIに基づいて肥満と定義された患者は32.0%、BSAに基づいて肥満と定義された患者は28.6%であった。解析の結果、BMIを用いてもBSAを用いても肥満に該当しなかった患者と比較して、BMIとBSAの両方で肥満と定義された患者では、死亡打ち切り時の移植片喪失、全原因による移植片喪失、および移植片機能遅延の調整リスクは高くなった(それぞれ調整ハザード比1.23、1.09、オッズ比1.58)。このリスクは、BMIあるいはBSAの一方により肥満と定義された場合よりも有意に高かった。 著者らは、「今回の後ろ向きコホート研究より、BMIあるいはBSAの一方により肥満と定義された患者では、BMIとBSAの両方の指標により肥満と定義された患者よりも、有害転帰のリスクが有意に低いことが明らかになった。腎移植時の肥満関連リスクを評価する際には、BMIとBSAを組み合わせた肥満の定義を考慮するべきである」と述べている。 なお複数の著者が、バイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年5月27日) https://www.healthday.com/healthpro-news/kidney-health/post-kidney-transplant-adverse-outcomes-increased-with-bmi-bsa-obesity Abstract/Full Texthttps://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12097780/ Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock