2016年から2023年にかけて、自己申告による母親のメンタルヘルスが大幅に悪化した一方で、身体的健康の悪化は少なかったとする研究結果が、「JAMA Internal Medicine」に5月27日掲載された。 米コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院のJamie R. Daw氏らは、2016年から2023年にかけて0~17歳の子を持つ実母または養母(以下、母親)の自己申告による精神的および身体的健康度を調査するために、全国代表調査であるNational Survey of Children's Health(NSCH)のデータを用いて横断的研究を実施した。 調査対象には、19万8,417人の母親が含まれ、この人数は加重サンプルでは4213万370人に相当した。調査の結果、調整前の身体的健康について「非常に良好」と回答した割合は28.0%から23.9%に低下、「良好」は24.3%から28.1%に上昇し、「普通/不良」という回答には大きな変化が見られなかった。調整前のメンタルヘルスについては、「非常に良好」と回答した割合は38.4%から25.8%に低下し、「良好」と「普通/不良」では上昇が認められた(それぞれ18.8%から26.1%、5.5%から8.5%)。 8年間の調査期間中、母親の社会人口統計学的特性で調整した結果、「非常に良好」と回答した割合は、身体的健康で4.2パーセントポイント減少、メンタルヘルスでは12.4パーセントポイント減少した。一方で、「普通/不良」と答えた割合は、メンタルヘルスで3.5パーセントポイント増加した。また、社会人口統計学的サブグループ全体において、メンタルヘルスの悪化が広範囲に認められた。 Daw氏は、「本調査により、子育て中の女性のメンタルヘルスの悪化が深刻化していることが明らかになった。また、母親の健康状態は父親に比べて一貫して悪く、親の健康、特にメンタルヘルスを支援する政策において、母親へのさらなる配慮が必要である可能性が示唆されている。この問題は、米国における母子保健の改善に向けた重要な課題となるだろう」と述べている。(HealthDay News 2025年5月29日) https://www.healthday.com/healthpro-news/womens-health/considerable-decline-seen-in-self-reported-maternal-mental-health Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2834318 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock