内リンパ嚢減荷術(ELSD)は片頭痛を伴うメニエール病(MD)に有効であり、術後に回転性めまいと片頭痛が緩和したという研究結果が、「Acta Oto-Laryngologica」に4月30日掲載された。 北京大学(中国)のLin Han氏らは、104人のMD患者を対象にMDと片頭痛の関連を検討した。ELSD前後の効果を評価するため、回転性めまいの月間発現回数と片頭痛指標を用いた。対象者を、片頭痛を併発するMD患者とMDのみを有する患者に分け、回転性めまいの緩和率を比較した後、片頭痛を併発するMD患者を対象に術後の回転性めまいと片頭痛の緩和について評価した。 解析の結果、術後の回転性めまい緩和率は、MDのみの患者で46.7%、片頭痛を併発するMD患者で40.68%であり、有意差は認められなかった。術後の回転性めまいの月間発現回数と片頭痛指標は、片頭痛を併発するMD患者で有意に低下した。回転性めまいと片頭痛の転帰のカッパ値は0.505であった。高血圧でないことは、回転性めまいと片頭痛の緩和の独立した予測因子であった。また、男性であることは、片頭痛緩和の独立した予測因子であった。 著者らは、「術後の回転性めまいと片頭痛の緩和にある程度の一致が認められ、これら2つの疾患には、炎症に関連する共通の病因があることが示唆される」と述べている。(HealthDay News 2025年5月28日) https://www.healthday.com/healthpro-news/ear-nose-and-throat/endolymphatic-sac-decompression-effective-for-vertigo-migraine Abstract/Full Texthttps://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00016489.2025.2491651 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock