高齢者のアトピー性皮膚炎(AD)の世界的な疾病負荷は大きく、2050年まで増加し続けると予想されるという研究結果が、「Frontiers in Public Health」に4月1日掲載された。 重慶医科大学附属第一医院(中国)のYi Ou氏らは、1990年から2021年までの高齢者におけるADの世界的な疾病負荷を調査し、2050年までの変化を予測した。60歳以上の人におけるADの有病率、発症率、および障害調整生存年(DALYs)の推定値は、2021年の世界疾病負荷研究(GBD 2021)より抽出した。 解析の結果、高齢者のADの世界的な有病数は1990年から2021年にかけて、1100万9,630件増加していたことが明らかになった。一方で、年齢調整罹患率は低下しており、主な要因は人口増加と考えられた。発症率は、女性と75~79歳の年齢層で高かった。発症率、有病率、DALY率は社会人口統計学的指標(SDI)と正の相関関係が認められた。その一方で、SDIに関連する格差は有意に縮小した。高齢者におけるADの発症率、有病率、DALYsは2050年まで増加すると予測されたが、年齢標準化DALY率は減少すると予測された。 著者らは、「世界的に、ADは過小評価されている公衆衛生上の懸念事項であり、主に60歳以上の人に影響を与えている。また、性別、年齢層、地域、国によってその影響にばらつきが見られる。したがって、この差し迫った課題に対処するためには、高齢者におけるADの効果的な予防と管理に的を絞った取り組みが必要である」と述べている。(HealthDay News 2025年5月7日) https://www.healthday.com/healthpro-news/skin-health/global-burden-of-atopic-dermatitis-in-older-adults-is-considerable Abstract/Full Texthttps://www.frontiersin.org/journals/public-health/articles/10.3389/fpubh.2025.1569119/full Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock