減量・代謝改善手術(MBS)を受けた人は、グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)で治療を受けた人と比較して、精神障害を発症する可能性が低いという研究結果が、米国肥満代謝外科学会年次総会(ASMBS 2025、6月15〜19日、米ワシントンD.C.)で報告された。 米テュレーン大学医学部のAbdallah Attia氏らは、後ろ向きコホート分析において、GLP-1 RA(セマグルチド、リラグルチド、デュラグルチド)で治療を受けた患者とMBSを受けた患者の5年間の追跡期間中の精神障害リスクを比較した。各コホートには、傾向スコアマッチングを行った3万3,600人の患者が含まれた。 解析の結果、GLP-1 RAでの治療と比較して、MBSは不安症、物質使用症、認知障害のリスクの有意な低下と関連した(ハザード比はそれぞれ0.60、0.61、0.36)。精神病性障害または心的外傷後ストレス障害(PTSD)については有意差が見られなかった。解離性障害や衝動制御障害などのまれな疾患については、両群間で意味のある差は見られなかった。 共著者であり同大学のShauna Levy氏は、「本データは、治療後の潜在的なメンタルヘルスの負荷を軽減するため、肥満に対する外科的治療プログラムと内科的治療プログラムの両方に精神医学的スクリーニングおよびサポートを組み込むことを支持するものである。しかし、治療法によって精神的影響がなぜこれほど異なるのかを明らかにするためには、さらなる研究が必要である」と述べている。(HealthDay News 2025年6月20日) https://www.healthday.com/healthpro-news/weight-loss/likelihood-of-psych-disorders-lower-with-weight-loss-surgery-versus-glp-1-ras Abstract/Full Text (Press Release)https://asmbs.org/news_releases/psychiatric-disorders-less-likely-after-weight-loss-surgery-than-treatment-with-glp-1s/ Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock