地域の公営水道(CWS)に含まれるトリハロメタン、特に臭素化トリハロメタンへの曝露は、慢性腎臓病(CKD)のリスク増加と関連しているとする研究結果が、「JAMA Network Open」に7月2日掲載された。 米コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院のDanielle Medgyesi氏らは、California Teachers Studyのデータを用いて前向きコホート研究を実施し、CWSに含まれるトリハロメタンへの長期曝露とCKDリスクとの関連を検討した。対象は、1995〜1996年に登録されたカリフォルニア州の女性教職員および管理職員8万9,320人で、対象者のデータは、死亡記録および医療記録にリンクされていた。対象者のうち6,242人がCKDを発症した。 フレキシブルスプライン関数を用いたモデルで解析した結果、トリハロメタン曝露とCKDリスクの間には明確な用量反応関係が認められた。最もリスクが高かったのは臭素化トリハロメタンへの曝露であり、曝露量が高い2つのカテゴリー(75パーセンタイル、95パーセンタイル以上)におけるCKDのハザード比は、それぞれ1.23と1.43であった。CKDリスクとの関連に対する寄与度が最も高かったのは臭素化トリハロメタン(52.9%)であり、ウラン(35.4%)、ヒ素(6.2%)、クロロホルム(5.5%)がそれに続いた。 著者らは、「本研究結果は十分な量の実験的エビデンスによって裏付けられており、水道水の塩素処理が広範に行われている現状とCKDの世界的負荷の増大を考慮すると、公衆衛生に重要な意味合いを持つ」と述べている。 なお1人の著者が、バイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年7月8日) https://www.healthday.com/healthpro-news/environmental-health/exposure-to-trihalomethanes-linked-to-chronic-kidney-disease Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2835886 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock