5つの主要な妊娠合併症のいずれかを経験した女性では、将来的に脳卒中のリスクが高くなるとする研究結果が、「European Heart Journal」に6月23日掲載された。 米テキサス大学健康科学センターのCasey Crump氏らは、1973~2015年にスウェーデンで単胎児を出産した220万1,393人の女性を対象に全国コホート研究を実施し、5つの主要な妊娠合併症と将来的な脳卒中リスクとの関連を検討した。具体的には、早産、在胎不当過小、子癇前症、その他の高血圧性疾患、妊娠糖尿病の5項目について、脳卒中とどのように関連するかを、母体のその他の因子を調整した上でハザード比(HR)を用いて評価した。 総計4800万人年に及ぶ追跡調査において、対象となった女性の30%が何らかの妊娠合併症を経験しており、1.6%の女性が脳卒中と診断されたことが分かった。解析の結果、5つの妊娠合併症はいずれも長期的な脳卒中リスクの上昇と独立して関連しており、それぞれの合併症に対する調整済HRは、妊娠糖尿病で1.86、その他の高血圧性疾患で1.82、早産で1.40、子癇前症で1.36、在胎不当過小で1.26だった。出産から30〜46年が経過した後でも、これらのリスク上昇は有意に維持されていた。また、この関連の一部は、遺伝や環境など家族内で共有される因子によって説明される可能性があることも示唆された。 Crump氏は、「妊娠合併症は将来的な脳卒中リスクの早期サインであることを、女性自身も医師も認識すべきである。これにより、脳卒中やその他の心血管疾患を発症するかなり前から、リスクの高い女性を特定できる可能がある。妊娠合併症を経験した女性には、他の心血管リスク因子を軽減するための支援が必要である」と述べている。(HealthDay News 2025年7月3日) https://www.healthday.com/healthpro-news/stroke/long-term-stroke-risk-higher-for-women-with-pregnancy-complications Abstract/Full Texthttps://academic.oup.com/eurheartj/advance-article-abstract/doi/10.1093/eurheartj/ehaf366/8161636?redirectedFrom=fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock