心房細動患者対するカテーテルアブレーションは31日目以降の脳梗塞、死亡、心不全による入院のリスクを低下させる一方、外科的アブレーションでは脳梗塞、およびあらゆる原因による脳卒中リスクの低下にとどまることが、「Annals of Internal Medicine」に7月1日掲載されたレビューで明らかにされた。 米ワシントン大学のBryce Montane氏らは、心房細動患者にカテーテルアブレーションまたは外科的アブレーションを実施した群とアブレーションを実施しなかった群を1カ月以上追跡して比較したランダム化比較試験を対象にシステマティックレビューとメタ解析を実施し、脳梗塞、死亡、心不全による入院などの転帰に対するアブレーションの効果を検討した。 その結果、薬物療法と比較し、カテーテルアブレーションは31日目以降の脳梗塞(相対リスク〔95%信頼区間〕0.63〔0.43~0.92〕)、死亡(同0.73〔0.60~0.88〕)、心不全による入院(同0.68〔0.55~0.85〕)のリスクを低下させたことが示唆された。一方で、カテーテルアブレーションは30日以内の脳梗塞の相対リスクを上昇させており(同6.81〔1.56~29.8〕)、その結果、全期間を通じた脳梗塞の相対リスクは0.77(95%信頼区間0.55~1.09)、あらゆる原因による脳卒中の相対リスクは0.77(同0.57~1.05)であった。これに対し外科的アブレーションは、脳梗塞(相対リスク〔95%信頼区間〕0.54〔0.34~0.86〕)、およびあらゆる原因による脳卒中(同0.54〔0.35~0.82〕)のリスクを低下させたが、その他の転帰についてはベネフィットが不明であった。 著者らは、「カテーテルアブレーションは31日目以降の脳梗塞、死亡、および心不全による入院のリスクを低下させた。外科的アブレーションは脳梗塞およびあらゆる原因による脳卒中のリスクを低下させたが、その他の転帰についてはベネフィットが不確かであった」と述べている。(HealthDay News 2025年7月7日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/a-fib-catheter-ablation-cuts-risk-for-ischemic-stroke-after-30-days-mortality-heart-failure-hospitalization Abstract/Full Texthttps://www.acpjournals.org/doi/10.7326/ANNALS-25-00253 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock