代理母は、自然妊娠または体外受精(IVF)により妊娠した女性よりも、妊娠中および産後に精神疾患の診断を受ける可能性が高いという研究結果が、「JAMA Network Open」に7月25日掲載された。 マギル大学(カナダ)のMaria P. Velez氏らは、妊娠前に精神疾患の既往がなく、妊娠20週を過ぎてから出産したカナダ・オンタリオ州の女性全員を対象に後ろ向きコホート研究を実施し、代理出産と精神疾患新規発症との関連を検討した。代理母を、自然妊娠またはIVFにより妊娠した女性と比較した。解析対象となったのは、76万7,406件の適格な妊娠データであり、内訳は自然妊娠97.6%、IVF 2.3%、代理出産0.1%であった。 解析の結果、代理出産の方が自然妊娠またはIVFによる妊娠よりも経産婦の割合が高く(91.2%対57.9%、34.1%)、低所得者居住地域に住んでいる割合が高く(23.4%対21.9%、12.1%)、肥満(36.1%対17.0%、17.1%)および慢性高血圧(3.2%対1.6%、2.9%)を有する割合が高かった。精神疾患の新規発症者数は、代理母が236人であったのに対し、自然妊娠した女性は19万5,022人(100人年当たり6.9人対5.2人、調整罹患率比1.43)、IVFを受けた女性は4,704人(100人年当たり6.9人対5.0人、調整罹患率比1.29)であった。 Velez氏は、「本研究で得られた知見から、代理母候補の女性が妊娠する前に、妊娠中または産後に精神疾患を新たに発症したり、既存の精神疾患が悪化したりする可能性について、十分なスクリーニングとカウンセリングを行うことの重要性が浮き彫りになった」と述べている。 なお1人の著者が、フェリング社との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年8月4日) https://www.healthday.com/healthpro-news/mental-health/mental-illness-increased-during-after-pregnancy-for-gestational-carriers Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2836835 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock