45〜49歳の成人において、局所限局期の大腸がん(CRC)の罹患率が2019年から2022年にかけて上昇し、CRCスクリーニング検査の受診率も2019年から2023年にかけて上昇したことを示す2報の研究結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に8月4日掲載された。 米国がん協会(ACS)のElizabeth J. Schafer氏らは、55歳未満の成人(合計21万9,373人)におけるCRC罹患率の傾向を検討した。解析の結果、20〜39歳のCRC罹患率は、2004年以降一貫して年率1.6%で上昇し、40〜44歳および50〜54歳では、2012年以降年率2.0%~2.6%で上昇していた。45〜49歳では、2004〜2019年は年率1.1%増であったが、2019〜2022年は年率12.0%増に加速していた。この急増は局所限局期での診断の増加が主因であり、その罹患率は2019年が10万人当たり9.4人、2021年には11.7人、2022年には17.5人へと増加した。 一方、同協会のJessica Star氏らは、45〜49歳の成人における2019年から2023年にかけてのCRCスクリーニング受診率の変化を検討した。解析の結果、スクリーニング受診率は、2019年の20.8%、2021年の19.7%から、2023年には33.7%に上昇していた(2019年と比較した2023年の調整受診率比〔APR〕1.62)。より詳しくは、大腸内視鏡検査の実施率はそれぞれ19.5%、17.8%から27.7%に上昇し(APR 1.43)、便検査は1.3%、2.7%から7.1%に上昇していた(APR 5.37)。 Star氏は、「若年成人における大腸がんスクリーニング検査の受診率の上昇は好ましいことであり、早期診断の増加につながっている可能性がある。しかし道のりはまだ長い。45〜49歳における大腸がんのスクリーニング受診率は依然として理想的とは言えず、教育歴や保険加入状況が受診率上昇の公平性を妨げている」と述べている。(HealthDay News 2025年8月7日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/local-colorectal-cancer-incidence-on-the-rise-in-adults-aged-45-to-49-years Abstract/Full Text-Schaferhttps://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2837232 Abstract/Full Text-Starhttps://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2837231 Editorialhttps://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2837233 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock