世界全体で毎年7万4,000人近くにのぼる子どもがC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した状態で出生しているとの研究結果が、「The Lancet Gastroenterology and Hepatology」に7月23日掲載された。 英ブリストル大学のAdam Trickey氏らは、垂直感染によるHCV感染の世界全体および各地域の年間発生件数と、5歳時点で感染が持続している症例数を推定した。 垂直感染による新たなHCV感染の年間推定件数は、世界全体で7万3,862件であった。地域別では、南アジア(2万1,245件)、西アフリカ(1万6,482件)、東アフリカ(8,182件)が最も多かった。国別では、パキスタン(1万6,350件)、ナイジェリア(8,483件)が最も大きな負荷を抱かえており、両国で新規感染の約3分の1を占めると推定された。これらの子どものうち2万3,120人は、5歳時点で依然としてHCVを保有して生存していると予測されている。 Trickey氏は、「これらの統計は、これまで十分に研究されてこなかった新規HCV感染の主な要因を明らかにするものであり、政策立案者や医療計画の担当者にとって重要な情報である。また、サービス提供にも役立つ。妊娠は、医療従事者が普段は接点を持ちにくい人々と関わることができ、HCVのスクリーニングを実施して必要に応じて適切なケアにつなげることのできる貴重な機会だからである」と述べている。 なお複数の著者が、関連組織との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年8月5日) https://www.healthday.com/healthpro-news/infectious-disease/study-estimates-global-burden-of-vertically-transmitted-hepatitis-c Abstract/Full Texthttps://www.thelancet.com/journals/langas/article/PIIS2468-1253(25)00189-X/fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock