生後3カ月未満の乳児における重症RSウイルス感染は、併存疾患のある児だけでなく、健康な満期産児にも少なくないとする研究結果が、「The Lancet Regional Health: Europe」に9月9日掲載された。 カロリンスカ研究所(スウェーデン)のGiulia Dallagiacoma氏らは、2001年1月1日から2022年12月31日の間にスウェーデンで生まれた全ての児(242万8,411人)を対象として登録ベースのコホート研究を実施し、0〜18歳の児におけるRSウイルス関連の重篤な疾患アウトカムのリスク因子を検討した。同国の登録データベースから、RSウイルス関連のICD-10診断、社会人口学的特徴や併存疾患に関する情報を取得した。アウトカムは、RSウイルス関連による、集中治療室(ICU)/小児集中治療室(PICU)入室、死亡、または長期入院(7日以上)とした。併存疾患は、先天性心疾患(CHD)、慢性肺疾患、新生児期の呼吸器疾患、ダウン症、脳性麻痺、食道奇形、その他致命的になり得る疾患(life-limiting conditions)とした。 対象としたのは諸条件を満たした235万4,302人で、うち1.7%(3万8,919人)がRSウイルス感染症と診断された。また、1,210人がRSウイルス関連でICUに入室し、27人が死亡した。Cox回帰分析の結果、ICU入室または死亡と有意に関連するリスク因子として、冬季(12~2月)の出生(調整ハザード比〔aHR〕2.96、95%信頼区間〔CI〕2.53〜3.46)、在胎週数に対して小さい出生体重(SGA;同3.91、3.08〜4.97)、多胎出生(同3.43、2.80〜4.21)、0〜3歳の同胞の存在(同2.92、2.57〜3.31)、4歳未満で下気道感染症による入院歴を有する同胞の存在(同2.40、1.54〜3.74)、併存疾患の存在(aHR>4)が特定された。RSウイルス感染症の診断を受けた児のみを対象としたサブグループ解析でも、aHRはやや低くなったものの、上記因子の多くがICU入室または死亡と有意に関連していた。 RSウイルス関連で長期入院した児は3,766人であった。Cox回帰分析の結果、長期入院のリスク因子はICU入室や死亡とほぼ同じ傾向を示した。主要なリスク因子として、冬季の出生(aHR 3.13、95%CI 2.86〜3.43)、SGA(同2.22、1.87〜2.62)、多胎出生(同3.63、3.24〜4.06)、0〜3歳の同胞の存在(同2.91、2.71〜3.12)、非常な早産(28週以上32週未満;同10.85、9.14〜12.87)、極度の早産(28週未満;同19.19、15.46〜23.81)、併存疾患として重度の先天性心疾患(同7.18、5.85〜8.81)、ダウン症(同7.53、5.84〜9.72)、その他の重度併存疾患(同9.08、8.39〜9.83)などが判明した。 ところが、ICUに入室したか死亡した児で併存疾患を持っていた割合は、生後3カ月以上では高かったものの(ICU入室児:71.6%、長期入院児:55.3%)、生後0〜2カ月では低くなって(ICU入院児:40.3%、長期入院児:33.2%)健康な児の割合が多くなり、それぞれの月齢の間の差は統計学的に有意であった(どちらもP<0.001)。 Dallagiacoma氏は、「今では、新生児に予防的治療ができるし、妊婦にワクチンを投与できるようにもなっている。本研究により、併存疾患のない健康な乳児であってもRSウイルス感染症が重症化する恐れがあることが判明したことから、全ての小児に対し注意警戒を怠るべきでない」と述べている。 なお、数人の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年9月11日) https://www.healthday.com/healthpro-news/infectious-disease/infants-without-comorbidities-also-at-risk-for-severe-rsv-infection Abstract/Full Texthttps://www.thelancet.com/journals/lanepe/article/PIIS2666-7762(25)00239-X/fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock