植込み型除細動器(ICD)を植え込まれた非虚血性心筋症患者では、女性の方が男性と比較して1年間の心室性不整脈または死亡のリスクが低いとする研究結果が、「eClinicalMedicine」8月号に掲載された。 米ロチェスター大学医療センターのValentina Kutyifa氏らは、BIO-LIBRA研究の中で事前に設定されていた中間解析を実施し、ICDまたは心臓再同期療法除細動器(CRT-D)が植込まれた非虚血性心筋症患者1,000人(女性47.5%)を対象に、12カ月間追跡し、臨床的特性、薬物療法、心室性不整脈である心室頻拍/心室細動(VT/VF)の発現または死亡について評価した。 その結果、12カ月間のVT/VFまたは死亡のリスクは、男性に比べて女性の方が低く(ハザード比0.49)、これは主にVT/VFのリスクが低い(同0.46)ことによるものであった。この関連は、左室駆出率(LVEF)やQRS幅を調整した後も持続した。ICD群とCRT-D群の間に有意差は認められなかった。 Kutyifa氏は、「本研究は、登録患者の中に十分な数の女性を含めた上でこのような性差を示すことができた初の研究である。非虚血性心筋症患者はこれらのデバイスで良好な経過を示すものの、依然として生命を脅かす心室性不整脈の発現や死亡に至る残余リスクがある。しかし、このリスクは女性において低くなることが分かった」と述べている。 なお複数の著者が、本研究の資金提供元であるBIOTRONIK社との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年9月2日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/women-benefit-more-from-implantable-defibrillators-than-men Abstract/Full Texthttps://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(25)00269-X/fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock