炎症性腸疾患(IBD)を有する女性の妊娠管理に関する推奨事項がグローバルコンセンサス声明において示され、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」10月号に掲載された。 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のUma Mahadevan氏らは、最新データを検討し、IBDを有する女性における妊娠管理のベストプラクティスを定めた。10種類のトピックに分け、34の推奨事項と35のコンセンサス声明が発表された。 本グローバルコンセンサス声明では、IBDを有する女性に対し、IBDが活動性の場合、そうでない場合と比較して不妊リスクが上昇することを説明するよう推奨している(強く推奨)。IBDを有さない女性と比較して妊孕性が低下する可能性があるものの、生殖補助医療を受けた場合、生児出生に基づく有効性はIBDを有さない女性と同等である可能性がある(条件付きで推奨)。IBDを有する女性は、妊娠前カウンセリングを受けることが推奨される(強く推奨)。妊娠中または妊娠を希望する女性には5-アミノサリチル酸製剤による維持療法を継続することが推奨される(強く推奨)。維持療法としてのスルファサラジンは使用が示唆され、コルチコステロイド療法も、臨床的に必要な場合には適切なモニタリングのもとで使用が示唆される(条件付きで推奨)。ただし、メトトレキサートによる維持療法は妊娠前に中止すべきである(強く推奨)。授乳については、疾患増悪リスクの上昇とは関連しないため推奨される(強く推奨)。 Mahadevan氏は、「われわれの研究とコンソーシアムの目的は、現在母親であるIBD患者とこれから母親となるIBD患者に希望と安心を与え、IBDでない女性と同等に高い水準の医療を提供することである。今回発表したコンセンサスの推奨事項は、IBDを有する女性とその子どもの治療と転帰を改善するための、これまでにない本格的な世界規模の取り組みである」と述べている。 なお複数の著者が、製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年9月11日) https://www.healthday.com/healthpro-news/pregnancy/recommendations-developed-for-managing-pregnancy-in-women-with-ibd Abstract/Full Texthttps://www.cghjournal.org/article/S1542-3565(25)00322-2/fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock