胃食道逆流症(GERD)は、耳鳴り、メニエール病、前庭機能障害、感音難聴のリスク上昇と関連する可能性があるという研究結果が、「Journal of Multidisciplinary Healthcare」に8月20日掲載された。 河北中医薬大学(中国)のWen Zhao氏らは、ヨーロッパ系集団のゲノムワイド関連解析データを用いて、GERDおよびバレット食道(BE)と耳疾患との関連を検討した。3つのメンデルランダム化法を適用し、因果推定は逆分散加重法を用いて算出した。 解析の結果、遺伝学的に予測されたGERDが耳疾患に影響を及ぼす可能性が示された。GERDは、メニエール病(オッズ比1.334)、感音難聴(同1.127)、前庭機能障害(同1.178)、持続性の耳鳴り(同1.019)、ほとんど常時ある耳鳴り(同1.007)、時折ある耳鳴り(同1.014)と関連していた。GERDの程度が高い場合、これらの耳疾患リスクが上昇した。耳鳴りを経験したことのない人では、GERDの程度が高いほど、耳鳴りを全く経験しない可能性が低下した(同0.939)。一方、GERDと中耳炎との間には因果的関連は認められなかった。また、BEと耳疾患リスクとの間にも因果的関連は認められなかった。 著者らは、「メンデルランダム化解析により、GERDがメニエール病、感音難聴、前庭機能障害、耳鳴りのリスクを上昇させる可能性があることが示された。本研究結果は、これらの疾患の予防に貴重な知見を提供し得る」と述べている。(HealthDay News 2025年9月8日) https://www.healthday.com/healthpro-news/ear-nose-and-throat/gerd-may-be-linked-to-ear-disorders-including-tinnitus-meniere-disease Abstract/Full Texthttps://www.dovepress.com/association-between-gastroesophageal-reflux-disease-barretts-esophagus-peer-reviewed-fulltext-article-JMDH Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock