畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルは、皮膚科医と同等の精度で、高分化型と中分化型・低分化型の皮膚扁平上皮がん(cSCC)を識別できるという研究結果が報告された。詳細は、「Journal of the American Academy of Dermatology(JAAD)International」の12月号に掲載予定である。 ヨーテボリ大学サルグレンスカ・アカデミー(スウェーデン)のVictor Liang氏らは、CNNが高分化型と中分化型・低分化型のcSCCを識別する性能を検証するため、同大学皮膚科で収集した画像データを用いて後ろ向き研究を実施した。新たに開発したCNNは、cSCCの臨床近接画像1,829枚(高分化型1,254枚、中分化型または低分化型575枚)を用いて訓練された。画像は訓練用セット1,329枚、検証用セット200枚、テスト用セット300枚にランダムに分けられた。CNNの性能は、7人の独立した読影者(シニアレジデント1人と、経験年数4~25年の皮膚科専門医6人)による総合評価と比較された。 検証の結果、CNNモデルのROC曲線下面積(AUC)が0.69であり、皮膚科医による総合評価の0.70とほぼ同等であることが明らかになった。cSCCの分化度評価における観察者間一致度は中等度(κ=0.44)だった。臨床所見については、観察者間一致度はfairからsubstantialまで幅があった。中分化型または低分化型の腫瘍では、潰瘍形成(オッズ比2.34)と平坦な表面形態(オッズ比2.94)がより一般的に認められた。 責任著者である同大学のSam Polesie氏は、「今回開発したモデルはさらなる改良と検証が必要であるが、今後の方向性は明確である。人工知能(AI)は、医療における意思決定プロセスに実際に付加価値をもたらす場面で活用されるべきだ」と述べている。(HealthDay News 2025年9月17日) https://www.healthday.com/dermatology-special/cnn-model-performs-similarly-to-dermatologists-for-differentiating-csccs Abstract/Full Texthttps://www.jaadinternational.org/article/S2666-3287(25)00081-1/fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock