65歳以下の急性心筋梗塞(MI)では、非アテローム血栓性の原因による割合が高くなるという研究結果が、「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」9月23日号に掲載された。 米メイヨー・クリニックのClaire E. Raphael氏らは、65歳以下の地域住民コホートにおいてMIの発症率と転帰を検討した。MIは、判定された6種類の病態生理学的メカニズム、すなわちアテローム血栓症、特発性冠動脈解離(SCAD)、塞栓症、血管攣縮、分類不能の非閉塞性心筋梗塞(MINOCA-U)、酸素需給不均衡による二次性MIのいずれかに分類された。 15年間で2,780人の患者において4,116件の心筋傷害イベントが発生した。解析の結果、1,474件が初回MIであり、その68%はアテローム血栓症によるものであることが分かった。女性の方が男性よりもMI発症率が低く(10万人年当たり48対137)、特にアテローム血栓症によるMIの発症率が低かった(同23対105)。一方、女性では男性よりSCADの発症率が高く(同3.2対0.9)、SCAD症例のうち初回診察時には55%がMINOCA-Uまたはアテローム血栓症と誤って分類されていた。女性の場合、男性と比較して非アテローム血栓性の原因による症例が多数を占めた(アテローム血栓症:47%対75%、二次性MI:34%対19%、SCAD:11%対0.7%、塞栓症:2%対2%、血管攣縮:3%対1%、MINOCA-U:3%対2%)。 Raphael氏は、「この研究は、特に女性において、歴史的に十分認識されてこなかった心筋梗塞の原因に光を当てている。心筋梗塞の根本原因が誤解されると、有効性の低い、あるいは有害な治療につながる可能性がある」と述べている。 なお1人の著者が、企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年9月23日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/nonatherothrombotic-causes-account-for-much-of-mi-burden-in-younger-adults Abstract/Full Texthttps://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2025.07.012 Editorialhttps://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2025.07.030 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock