米国では医療機関によって血液培養汚染(blood culture contamination;BCC)の定義が異なるという研究結果が、「Journal of Clinical Microbiology」8月号に掲載された。 米ジョンズ・ホプキンス大学医学部のValeria Fabre氏らは、52の医療機関を対象に調査を行い、48医療機関の62の集中治療室(ICU)および231の病棟で2019年9月1日~2021年8月31日に採取した36万2,078件の血液培養(BCx)について分析を行った。米国病理医協会(CAP)または米国臨床検査標準化協議会(CLSI)の基準(いずれも限られた数の皮膚常在菌を用いてBCCを定義)と、全米医療安全ネットワーク(NHSN)の網羅的な常在菌リストを用いてBCC率を算出し、比較した。 全体として、BCC、BCx陽性率、BCxを1セットしか採取しなかった割合をモニタリングしていた医療機関はそれぞれ100%、39%、21%であった。解析の結果、BCCを定義するのにCAP、CLSI、NHSNの基準を使用していた医療機関は、それぞれ65%、17%、17%であった。CAPにより算出した平均BCC率はICUで1.38%、病棟で0.96%であった。CLSIの基準を用いた場合のBCC率は同程度であったが、NHSN基準を用いた場合は高くなった。検査室外へのBCCデータ共有、追加のBCx品質指標の測定、中心静脈カテーテルからのBCxの制限は、BCC率の低下と関連した。ICUでは、BCCと中心静脈カテーテル関連血流感染率上昇の間に関連が認められた。 Fabre氏は、「医療機関によってBCCの定義にばらつきがあることが判明した。標準化が不十分だと、血液培養の汚染率が適正範囲内にあるかのように誤って認識する危険性が生じる」と述べている。(HealthDay News 2025年9月11日) https://www.healthday.com/healthpro-news/infectious-disease/hospitals-vary-in-their-definition-of-blood-culture-contamination Abstract/Full Texthttps://journals.asm.org/doi/full/10.1128/jcm.00530-25 Editorialhttps://journals.asm.org/doi/10.1128/jcm.00981-25 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock