ビデオヘッドインパルステスト(vHIT)およびカロリックテストは、メニエール病(MD)と前庭性片頭痛(VM)の鑑別に有用であるとする研究結果が、「Frontiers in Neurology」に8月7日掲載された。 Gelre Hospitals(オランダ)のEleonora G. M. Vosbeek氏らは、オランダの三次医療めまい外来で194人のMD患者と101人のVM患者を対象としたコホート研究を実施した。対象者の人口統計学的特徴、受診時の症状、純音聴力検査、カロリックテスト、vHITの結果を収集し、MDとVMにおける聴覚症状や前庭機能を比較した。 解析の結果、全てのMD患者と65.7%のVM患者が、めまい発作時に少なくとも1つの耳症状を経験していることが分かった。VM患者と比較して、MD患者ではカロリックテストの異常、水平vHITの異常、vHIT中のキャッチアップサッカード(めまい時に見られる眼球運動)がより頻繁に認められた。MDとVMを鑑別する際、vHITの陽性的中率(PPV)は81%、陰性的中率(NPV)は36%であった。vHITが正常の患者においては、カロリックテストのPPVおよびNPVはそれぞれ82%、55%であった。さらに、カロリックテストで、一側の反応が弱いと判定する閾値を34%に引き上げることで、PPVおよびNPVはそれぞれ90%、52%に向上した。 著者らは、「本研究はVMまたはMDと診断された患者を対象としたが、今回の知見は、前庭機能検査がVMやMDの診断基準をまだ完全には満たしていない患者においても、診断精度の向上や治療計画の立案に役立つ可能性がある」と述べている。 なお一人の著者が、製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年9月12日) https://www.healthday.com/healthpro-news/ear-nose-and-throat/video-head-impulse-test-caloric-test-can-differentiate-meniere-disease-vestibular-migraine Abstract/Full Texthttps://www.frontiersin.org/journals/neurology/articles/10.3389/fneur.2025.1569247/full Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock